今回の依頼は、群馬県邑楽郡のY家。オーストラリア人の依頼者は三年前に来日。群馬県の英会話教室で働き、一昨年、職場の同僚だった妻と国際結婚。現在は長男と三人で、アパートで暮らしている。過去にオーストラリアの実家を父親と共にリフォームした経験がある依頼者は家族のため、かつて奥さんの祖父母が暮らしていた、築68年の家をリフォームして住みたいと希望した。この家は、陸軍の飛行場があった跡地を戦後、農地に開拓するために入植した人たち用に建てられた木造家屋で、同じ家が130軒建ち並んでいたが、今残るのは三軒のみ。現在は、妻の両親の家と、祖母の家に挟まれた同じ敷地内に建っている。
しかし、妻の祖父母が結婚した時に建てられたこの家は、40年間も空き家のままでボロボロ。ずっと倉庫として使われているものの、屋根には大きな穴が空き、雨が降れば当然、室内にも降り注いで水浸し。家の外と変わらない。床は今にも抜け落ちそうで、壁も穴だらけ。40年間使われていない洗面所とトイレは砂埃が積もり、中はもはや廃墟同然だ。他にも、身長195cmの依頼者には天井が低すぎるなど、問題点が山積み。しかもこの大規模なリフォームに対して予算はわずか400万円。果たして匠たちはどのようにリフォームに挑むのか!?
~モダニズムの継承者~
柴田達志
(有)A.S.Oスタイル 代表 / 建築家
昭和7年に建てられた国の登録有形文化財「陶磁器会館」の一室に事務所を構え、伝統の味わいと現代生活の快適さを兼ね備えた家づくりを目指す。
(写真左から)
えとう窓口さん
佐藤棟梁
谷田部 汰仁恵瑠(ダニエル)さん