|
『本当は怖い発疹〜目覚めた悪魔〜』 |
|
Y・Iさん(男性)/48歳(当時) |
|
板金工場社長 |
食欲がないため病院に行ったところ、医師からうどんやそうめんなど消化のよいものを摂取するように勧められたY・Iさん。以来、昼食にうどんを選ぶことが多くなった彼は、体調が見違えるように回復し、いつしか「うどんを食べていれば健康」と思うようになりました。
しかし3年後、原因不明の発疹に悩まされ始め、さらなる異変も襲います。 |
|
(1)発疹
(2)下痢
(3)全身の腫れ
(4)腫れが引いても湿疹が残る⇒小麦アレルギーと診断
(5)再び全身に発疹 |
|
アナフィラキシーショック |
<なぜ、発疹からアナフィラキシーショックに?> |
全ての原因は、もともと軽い小麦アレルギーを持っていたY・Iさんの体質、そして行動にありました。バランスよく食べている分には何の問題もなかったうどん。しかし、短期間で毎日のように大量のうどんを食べるようになったため、小麦の摂取量が限度を越え、Y・Iさんの体は小麦に対するアレルギー反応を過敏に示すようになったのです。最初にY・Iさんを襲った発疹。あれは妻と娘が口にしていたクッキーが原因。おしゃべりの唾液とともに飛び散った小麦が、Y・Iさんの肌に付着。そこでアレルギーを起こしたのです。そして、あの下痢は、体内に取り込まれた小麦に、誤作動を起こした抗体が反応。体の外に排出しようと腸が過剰に働いてしまったために起きたのです。Y・Iさんは病院で小麦アレルギーと診断されて以来、小麦に関係するものは全て排除するようにしていました。しかし、大きな落とし穴が待ち受けていたのです。忘年会の帰り、家に着いた途端、突如、苦しみ出したY・Iさん。みるみるうちに発疹が広がり、病院に運び込まれた時、すでに意識不明の重体。病名は「アナフィラキシーショック」というものでした。「アナフィラキシーショック」とは、劇症型のアレルギー反応のこと。体中の抗体が暴走し、あらゆる場所が腫れ上がってしまう恐ろしい病で、呼吸困難や血圧低下で死を招くことさえあります。それにしても、あれほど注意していたのに、なぜ再び小麦アレルギーが出たのでしょうか?原因は、忘年会で食べたつくねでした。実はつくねのつなぎには、小麦粉が使用されることが多々あるのです。さらにその時、Y・Iさんの体は、年末の慌ただしさの中、寝不足が続き疲労困ぱいしていました。そして、お酒を飲んでの帰り道。歩くこと(運動刺激)によってアレルギー反応が助長され、劇症型のアナフィラキシーショックを引き起してしまったのです。アナフィラキシーショックの原因は小麦だけではありません。自分のアレルギーを知っておくことが大切なのです。 |