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『本当は怖いダイエット(1)~脂肪の逆襲~』 |
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S・Tさん(女性)/31歳(当時) |
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専業主婦 |
主婦のS・Tさんは、夏が来る前に少しでもスリムにしたいとダイエットを決意。高タンパク・高カロリーな肉や炭水化物をなるべくさけるようにした食事ダイエットを始めました。その後、2ヶ月で15㎏もの減量に成功しますが、大好物のケーキに手を出したのをきっかけに堰を切ったように食べ始め、半年後、元の体重より3㎏も太ってしまいました。いわゆるリバウンドです。その後も夏前にダイエットしては夏が終わると再びリバウンドする悪循環を繰り返し10年が経過。その結果、彼女は75㎏に!「またダイエットすれば痩せるし…」と特に気にも留めなかったS・Tさんですが、彼女の体内では取り返しのつかない病魔がうごめき始めていたのです。 |
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(1)手のひらの赤み
(2)頻繁に起こる倦怠感
(3)奇妙な行動
(4)多量の吐血
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非アルコール性脂肪性肝炎 |
<なぜ、食事ダイエットから非アルコール性脂肪性肝炎に?> |
S・Tさんの死因は「肝硬変」。その原因は、サラダとフルーツが中心のダイエットにありました。実は、そこには重要な栄養素が欠けていました。そう、たんぱく質です。通常、肝臓に送られた脂肪はタンパク質と結びつき、エネルギーとして全身に送り出されます。しかし、彼女の体内では、タンパク質不足により脂肪がそのまま肝臓にたまり続けました。これが「脂肪肝」。とはいえ脂肪肝だけなら、命に関わる症状を引き起こすことはめったにありません。しかしS・Tさんは、ダイエットとリバウンドの繰り返しによって、「非アルコール性脂肪性肝炎」を発症させてしまっていたのです。非アルコール性脂肪性肝炎とは、アルコールを飲まない人でも脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝癌へと病状が進行していく恐るべき病。そして、その原因の一つとして考えられるのが、あの無謀なダイエットとリバウンド。こうした行為を繰り返すことは、肝臓にとって大きな負担となるのです。彼女の脂肪肝が肝炎に進行し始めたのは、手のひらの赤みと全身の倦怠感が出たあの瞬間。しかし、特に痛みはないため、放っておいてしまったS・Tさん。これこそが、沈黙の臓器と言われる肝臓の落とし穴。肝臓の機能が低下しても、症状がほとんど出ないため、気づきにくいのです。その後も、ダイエットとリバウンドを繰り返してしまったS・Tさん。この体重の急激な変化が肝臓に決定的なダメージを与え、わずか5年で肝硬変へと進行してしまったのです。こうして肝硬変を起こした彼女を襲った症状が、トイレの場所を忘れるといった奇妙な行動。そして、多量の吐血。これらは肝硬変の特徴的な症状なのです。そしてS・Tさんは、肝臓の機能が戻らないまま、帰らぬ人となりました。現在、日本人の4人に1人は脂肪肝と指摘されています。そしてS・Tさんのように無理なダイエットとリバウンドを繰り返すと、非アルコール性脂肪性肝炎を目覚めさせるばかりか、その進行のスピードも早めてしまうことがあるのです。 |