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『本当は怖い腰痛~蘇る魔の追憶~』 |
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K・Aさん(女性)/51歳 |
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専業主婦 |
OLだった20代の頃は毎日ハイヒールを履いていたものの、結婚後はもっぱらゆるめの靴やおばさんサンダルで過ごしていたK・Aさん。最近、腰に重い痛みを感じるようになった彼女は、同居している息子の嫁に誘われ一緒にウォーキングを始めたところ、何となく身体が軽くなり腰痛が治まっているのを感じました。気を良くしたK・Aさんは、毎日欠かさずウォーキングを続けるようになりますが、1週間後、再びあの腰痛がぶり返し、さらなる症状まで出始めました。 |
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(1)腰痛
(2)腰の張りが背中全体に広がる
(3)ふくらはぎから下が痛む |
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外反母趾(がいはんぼし) |
<腰痛が病のサイン!外反母趾が進行すると大変なことに・・・> |
「外反母趾」とは、その名の通り、足の親指が体の外側、すなわち、小指の方向に曲がってしまう病。放置すると、K・Aさんのように激痛で歩けなくなってしまうこともあります。外反母趾は、圧倒的に女性に多く、実に男性の10倍にもなります。原因は、遺伝や女性特有の関節の柔らかさなど様々ですが、中でも影響が大きいのがハイヒールなどの踵の高い靴。そもそも足の指の骨は、じん帯によってアーチ状にしっかりと束ねられています。それがハイヒールなど、かかとの高い靴を履くと、足先に体重の多くがかかることで、じん帯が疲弊し緩んでしまいます。その結果、じん帯の支えを失った5本の骨が広がり、親指が回転し始めます。さらに先の尖った靴によって横から圧迫されることで、親指がどんどん小指側に変形してしまうのです。実はK・Aさんも、20代のOL時代はハイヒールの毎日で、すでに外反母趾になっていました。結婚後は、ハイヒールから開放され、ゆるい靴を履くことで痛みから逃れていたため、外反母趾のことなどすっかり忘れていました。これこそ、この病の落とし穴。実は外反母趾は、ある程度進行してしまうと、サンダルやゆるい靴などに変えてもじわじわと悪化してしまうのです。正常な状態であれば、歩くときには、親指に最も体重がかかり、そこで踏ん張って蹴りだします。しかし、外反母趾になってしまうと、親指が回転しているため、かかった力は、親指をより曲げるよう作用してしまうのです。さらに、踏ん張るときの力が中指など他の指にも分散。足の裏に不可思議なタコが出来てしまいます。これこそ親指だけではなく、中指などに異常な力がかかってしまっている証。つまり、このようなタコがある人は、外反母趾になっている可能性が高いのです。こうして、20年の時を経て、徐々に悪化したK・Aさんの外反母趾は、ついに新たな症状を引き起こします。それが、あの腰痛。外反母趾だと、無意識に痛む足をかばった歩き方になるため、体のバランスが崩れてしまいます。その結果、腰にアンバランスな力がかかり、それが腰痛を引き起こしたのです。事実、腰や膝などの痛みの影に、外反母趾が潜んでいることが多いと言われます。良かれと思ったウォーキング。実はこれも逆効果でした。足に過度の圧力をかけることで外反母趾を悪化させ、ひいては骨格全体にも悪影響を及ぼしていきました。そして、久しぶりに履いたハイヒール。これが決定的な事態を招いてしまいます。圧迫された彼女の親指は、ついに脱臼してしまったのです。外反母趾はハイヒールを履く若い人だけのものと思われがちですが、実際の患者数を見てみると、意外にも50代以降に多いことが分かります。これはK・Aさんのように、若い時に、たかが外反母趾と放っておいてしまったため、知らず知らずのうちに悪化し、ひどい状態になったからと考えられるのです。 |