診察室
診察日:2009年11月10日
テーマ:『本当は怖い冬場のお風呂〜知られざる危険な入浴法〜』
『家庭でできる!ぬるめのお湯でも身体ポカポカ簡単入浴剤』

『本当は怖い冬場のお風呂〜知られざる危険な入浴法〜』

K・Tさん(男性)/67歳 会社経営
建築会社を経営するK・Tさんの楽しみは、仕事終わりの晩酌と、その後に入るお風呂。ちょっと熱めのお風呂が好きな彼は、42℃のお湯に肩まで浸かって冷えた身体を温め、ウトウトするのが大好きでした。そんなK・Tさんの身に事件が起きたのは、2年前の師走のこと。友人のお通夜を終え、自宅でも後輩たちと飲んだ後、お風呂に入ったK・Tさん。虫の知らせのようなものを感じ、風呂場に向かった奥さんが目にしたのは、湯船の中で意識を失っている夫の姿でした。
(1)入浴時の意識障害
<なぜ、冬のお風呂で、意識障害に?>
 「意識障害」とは、脳に送られる血液が少なくなることで、脳が酸欠となり意識を失ってしまう状態のこと。K・Tさんがついウトウトしていたのも、単に気持ちがよく眠くなったからではありません。危険な入浴で脳が酸欠になり、意識を失う一歩手前だったのです。お風呂での意識障害は死と隣り合わせ。年間1万人以上が命を落としていると言われているのです。
 では、どのような入浴がK・Tさんのような意識障害を引き起こすのでしょうか?それはお酒を飲んだ後に、42℃のお湯に首まで浸かっていた入浴法。お酒を飲めば、人は血液循環の乱れから血圧低下を起こします。さらに、42℃という高い温度のお風呂に入ると、血圧がとんでもないことに。ある研究によると、入浴前80程度だった上の血圧が、42度のお風呂に入った途端、一気に130まで上昇。その後 今度は一転下がりはじめ、急激な血圧変動を起こしたのです。K・Tさんの場合、上の血圧が湯船の中で70近くまで下がったと考えられます。そして血圧が70以下になると、脳は意識障害を起こしてしまうのです。
  さらにもう一つ、血圧低下の原因となったのが、肩までしっかりお湯に浸かったこと。実は肩までお湯に浸かると、かなりの水圧が体にかかっているのです。ある50代男性のレントゲン写真を見ると、肩までお湯に浸かった時の肺は、お風呂に入ってない状態に比べてなんと1.5センチも縮んでいました。このような水圧は心臓をも圧迫。圧迫された心臓は血液を送り出す力が弱まり、さらなる血圧低下を招くのです。
<家庭でできる!ぬるめのお湯でも身体ポカポカ簡単入浴剤>
 安全なお風呂の温度は38℃〜40℃。しかしこれではぬるいと感じる方のために、お湯の中に入れると身体を芯から温め、出た後は湯冷めしにくい保温効果が期待できるものを探してみました。
 例えば、昔から冬至の日にお風呂に入れる習慣のある「ゆず」。体が温まるとよく言われますが、本当に効果があるのでしょうか?番組では、国際医療福祉大学大学院教授の前田先生の監修のもと、お風呂が好きな20代の女性3人にご協力頂き、実験を行いました。
 今回調べたのは身体の内部の体温である深部体温と、体の表面の体温。この2つを特殊なカメラで記録しました。計測したのは、お湯に入る前の平常時、40℃のお湯に15分浸かった状態、お湯から出て20分経った時の3つの体温です。
 番組で紹介した、さら湯とゆず湯など4つの入浴剤との比較・検証結果は、携帯サイトで紹介しております。

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