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『本当は怖い冬場のお風呂~知られざる危険な入浴法~』 |
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K・Tさん(男性)/67歳 |
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会社経営 |
建築会社を経営するK・Tさんの楽しみは、仕事終わりの晩酌と、その後に入るお風呂。ちょっと熱めのお風呂が好きな彼は、42℃のお湯に肩まで浸かって冷えた身体を温め、ウトウトするのが大好きでした。そんなK・Tさんの身に事件が起きたのは、2年前の師走のこと。友人のお通夜を終え、自宅でも後輩たちと飲んだ後、お風呂に入ったK・Tさん。虫の知らせのようなものを感じ、風呂場に向かった奥さんが目にしたのは、湯船の中で意識を失っている夫の姿でした。 |
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(1)入浴時の意識障害 |
<なぜ、冬のお風呂で、意識障害に?> |
「意識障害」とは、脳に送られる血液が少なくなることで、脳が酸欠となり意識を失ってしまう状態のこと。K・Tさんがついウトウトしていたのも、単に気持ちがよく眠くなったからではありません。危険な入浴で脳が酸欠になり、意識を失う一歩手前だったのです。お風呂での意識障害は死と隣り合わせ。年間1万人以上が命を落としていると言われているのです。
では、どのような入浴がK・Tさんのような意識障害を引き起こすのでしょうか?それはお酒を飲んだ後に、42℃のお湯に首まで浸かっていた入浴法。お酒を飲めば、人は血液循環の乱れから血圧低下を起こします。さらに、42℃という高い温度のお風呂に入ると、血圧がとんでもないことに。ある研究によると、入浴前80程度だった上の血圧が、42度のお風呂に入った途端、一気に130まで上昇。その後 今度は一転下がりはじめ、急激な血圧変動を起こしたのです。K・Tさんの場合、上の血圧が湯船の中で70近くまで下がったと考えられます。そして血圧が70以下になると、脳は意識障害を起こしてしまうのです。
さらにもう一つ、血圧低下の原因となったのが、肩までしっかりお湯に浸かったこと。実は肩までお湯に浸かると、かなりの水圧が体にかかっているのです。ある50代男性のレントゲン写真を見ると、肩までお湯に浸かった時の肺は、お風呂に入ってない状態に比べてなんと1.5センチも縮んでいました。このような水圧は心臓をも圧迫。圧迫された心臓は血液を送り出す力が弱まり、さらなる血圧低下を招くのです。 |
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