2008年10月10日
第548回番組審議会は、10月10日(金)に開かれました。
出席委員はご覧の方々でした。
〔委員〕
豊蔵 亮 委員長、井野瀬 久美惠 副委員長、
藤田 富美恵 委員、道浦 母都子 委員、
星野 美津穂 委員、草川 誠 委員、
山田 廣則 委員
〔当社側〕
渡辺 克信 社長、北畠 宏泰 専務、
福田 正史 取締役編成本部長、
田仲 拓二 取締役編成本部副本部長、
山本 晋也 編成局長、松岡 隆夫 ラジオ局長、
田中 俊行 スポーツ局長、古川 知行 報道局長、
岡村 道範 制作局長、小関 道幸 事務局長、
藤沼 純夫 事務局員
■ 審議番組
放送番組全般について
「テレビ報道が政治や選挙に与える影響」の他、「放送番組全般」について感じていることをフリートーキング。
<以下 出席委員の意見 要旨>
■ 「政治とテレビ」について
- 選挙報道は、それぞれの政党に論点をあげて意見を糺すのが新聞の役割であったが、若い人が新聞を読まなくなった。テレビがその社会的役割を果たす必要がある。論点をあげ、解説し、専門家にはきちんとしたコメントが欲しい。センセーショナルな興味本位の番組ではなく、王道の報道番組であって欲しい。
- 「政治とテレビ」というテーマで、司会者やコメンテーターの発言が過激すぎると感じている。ここ数年、総理大臣が代わってきたが、総理大臣に対する叩き方がひどい。本当に何でも叩くという風潮がある。ABCの番組でも朝から過激で、怒っているコメンテーターがいる。心を乱さない、落ち着いたニュースの伝え方をして欲しい。
- テレビは政治や選挙の動向に大きな影響を与える。テレビを特定の政党や政治家が利用しようとする。言論機関として由々しい問題だ。前回の「小泉劇場」のような、一方的な情緒的流れを増幅させるテレビ報道のあり方は、反省する所があったと思う。
今、政治に何が求められ、選挙で国民が何を求めるのか、テレビの側が取り上げるべき問題を正確に提示すること。メディアの役割が重要だ。
■ その他「放送番組全般」について
- ラジオのパーソナリティを主人公にした芥川作家 絲山秋子さんの小説「ラジ&ピース」を読んだ。ラジオがいかに地域と密着するか、地域に発信する情報のやりとりを生き生きと描いている。ラジオは、仕事をしながら身近な情報を知る有効な手段だ。是非お読みいただきたい。
- 番組編成が変わる時の特別番組はつまらない。番組宣伝のように出演者が総出演し、視聴者より出演者が面白がっている番組になっている。新番組のメッセージが届いていない。
- 改編時のスペシャル番組には、見るべき番組が幾つかあった。例えば、ゲリラ豪雨の瞬間をとらえた「列島大異変2008」2時間SP。9月26日の「世界の子供がSOS!」は、SOSを発したスリランカやタイの少女に、日本の名人が助けに行く。カツオ節や水車の作り方を教える。名人が考えたことは、現地の道具を使い、自然を壊さないで技術を伝えたこと。SOSの少女も、町全体も喜んでいる。とても質がよく興味が持てる番組だった。しっかりした番組なら「テレビ離れ」は起きない。
- テレビとは何なのか?39年前のテレビ論「お前はだだの現在にすぎない」から問いかける。ただ映している「現在」だけを伝えるのか。「見る」とは何か?人がテレビを見るのは能動的行為だ。遠くで起きた出来事を今見たいために、テレビの前に人が集まる。制作者や報道者の過剰な演出によって「見せる」ことは、視聴者を錯覚に陥れる。視聴者が主体的に「見る」こと、感動を与えるものとは何か。テレビの可能性を考えることが大事だ。
- テレビのメディアが果たす役割が、少し失われているのではないか。テレビ制作者が撮りたい、「見せたい」ものと、テレビを見たいと思う人が「見たい」と思うものと乖離している。今テレビがその威力を発揮して、見たいと思わせる、能動的にテレビを選ばせるものは結局何なのだろうか。皆さんにお聞きしたい。
- 山口県光市の母子殺害事件で、弁護団の動きをとらえて一時報道が加熱した。橋下大阪府知事は弁護士時代のテレビ発言で、「被告弁護団の弁護士は全部懲戒にすべきだ」と呼びかけた。自分は懲戒の申し立てをせず、広島では2400件という懲戒請求が起きた。これを広島弁護士会はことごとく却下した。今回広島地裁の判決でBPOの警告があったが、朝日放送も十分心して、一方的に何かを指弾するという姿勢は避けるべきだ。報道の公正さはそこに求められていると思う。
以上