2022528(土) 放送

高知県須崎市。四国初上陸です。今回の依頼者は、野見漁協組合長西山慶さん。高知といえばカツオのイメージがあるが、実は養殖のカンパチも盛り上がっていて全国にそのおいしさをアピールしている最中なのでぜひ新しいレシピで、力を貸して欲しいとのこと。

早速、速水は依頼人西山さんがいる野見漁港へキッチンカーを走らせる。まずは、西山さんからカンパチについて教えてもらう。須崎市はカンパチ養殖発祥の地で、元々市場でも評判が良かったのだが今までちゃんとアピールしてこなかったという。では、西山さんが育てる須崎勘八とはどのようなものなのか。船に乗り込み生け簀に向かう。このあたりは湾が入り組んでいるため波も穏やかで、魚もストレスが少ない。また、多くの河川により山から流れてくる栄養素も高いので、上質の美味しい魚が育つのだという。そこで、速水が人生初!まき餌に挑戦する。カンパチがすごい勢いで飛びつき水しぶきが上がる。このエサについて聞いてみると、配合飼料ではなくこだわりの生餌だ。普段はイワシだが出荷前にアジにすると、身が甘くなりすごくおいしくなるのだという。今回は30㎏くらいだが、普段は1トンくらいの生餌を1つの生け簀で使用する。年間の餌代は1億円を超えてくるらしい。早速、1匹釣り上げてみる。「めちゃめちゃ大きい!色がきれいだな。重たい!」網ですくったあともピチピチ勢いよく跳ねている。それもそのはず。この須崎勘八、なんと「淡水エステ」を受けているというのだ。「淡水エステ・・・?」と速水も聞き返す。淡水エステというのは2,3週間に一度カンパチを海水から出して淡水のプールで泳がせることにより、浸透圧の差で水分が身に入りより瑞々しい食感となるのだという。試食してみる。「肉厚。飲み込むのがもったいない。コリッコリとした歯ごたえがいい」と弾力がある須崎勘八を実感。そして最後に、西山さんは普段刺身でしかカンパチを食べないので、考え付かないようなレシピをお願いしますと懇願する。「それ、やめてもらっていいですか(笑)?」と毎度の生産者の方の熱い思いにプレッシャーを感じながらも、速水の目の奥は燃えていた。今回は、洋風だけど丼もの。しかし、作るからにはただの海鮮丼ではないという。

次に、道の駅へ買い出しに行く。出会ったお母さま方に須崎といえばどんな野菜が有名か聞いてみると、ミョウガだと教えてくれた。須崎市はミョウガ生産量全国1位なのだ。ミョウガとアオサを購入し、道の駅を散策していると、激しい炎が!カツオのたたきだ。ここでは、カツオのたたき調理体験が出来るのだという。速水もチャレンジしてみる。藁に火をつけ激しい炎で表面を炙り、その場で切ってもらい試食してみる。「うまい」噛みしめたところで、ひらめいた。「藁で焼くって発想が面白い。焼いた部分とフレッシュな部分が食べられるから。炙りもいいなぁ~」レシピは固まったようだ。今回は南国気分を味わえる丼もの。「ぜひぜひお付き合いの方、お願い致します!」と決め台詞で調理スタート。

カンパチのポキ丼

  • ①捌いたカンパチに金串を刺し、コンロで片面を炙り、氷水に取り冷やして水気を取る。
  • ②カンパチ、アボカド、青ネギをカットする。
  • ③細切りにしたミョウガ、千切りしたしょうがをそれぞれ水にさらし、水分を取る。
  • ④薄切りにしたニンニクをオリーブオイルで揚げる。
  • ⑤塩コショウ、白ごま、白ワイン、醤油、ゴマ油、レモン汁、オリーブオイルを混ぜてタレを作る。
  • ⑥すべてをボウルに入れ軽く和え、ご飯をよそった丼に具材を盛り付ける。
  • ⑦薬味、七味唐辛子、レモンの皮をふりかけ最後に卵黄を真ん中に乗せて、完成。

アオサのスープ

  • ①鍋に入れた水に血合いを取ったアラを入れる。
  • ②そこに白ワインを加え、弱火で30分煮て、濾す。
  • ③長ネギを小口切りにし、鍋に戻したスープに加える。
  • ④塩コショウ、水で戻したアオサを入れたら火を止める。

依頼人に試食してもらう。見た瞬間「すごっ!ムッチャいい匂いします」とポキ丼のごま油が食欲をそそる。一口食べる。「うまいっす…」と自ら育てたカンパチの新しい味を噛みしめた依頼人西山さん。「味が美しい!」と、カンパチや薬味など、須崎市の名産たちが口の中で織りなす芸術を称賛した。アラから取った贅沢出汁を使ったアオサのスープは「間違いないです。うますぎます。さすがです。」と、今回も生産者の方が大絶賛の内容だった。