守口市立さつき学園
2016年12月6日
100
5年生 66名
ちょうど100回目の出前授業は、今年開校した小中一貫の施設一体型義務教育学校です。ニュースづくりを通して、異年齢同士の交流を図りたいとのことで、今回の出前授業の様子を、児童たちがニュースにして、他学年に報告するということです。そこで、半田元報道局パリ支局長に講師になってもらい、ニュース番組体験も交えた授業を展開しました。
「“ニュースの作り方”が今回のテーマ。
そんな課題を出前授業担当の方々に頂いたことで、13年もやったはずの記者業ながら、「何を伝えるべきか」「何が一番大事なのか」と、改めて深く考える機会となりました。限られた45分の時間。多くの事は伝えられないけれども、ただ1点、ニュースに向き合う記者の姿勢のようなものだけでも、伝わればいいなと…。
冒頭、自分が知りたかった質問をこどもたちに。「みんなニュース番組って普段見る?」すると私の予想に反し「キャスト!」「報道ステーション!」「(小さな声で)…Ten」など、次々番組名が挙がりました。正直、そもそもニュースに関心があるのかと不安でしたが、これなら興味を持って聞いてもらえると、落ち着いて話を進める事ができました。
授業では、取材、編集といったニュースの流れを記者の仕事の流れに沿って説明し、パリ支局のVTRや、自らが体験させてもらった海外での取材をいくつか紹介。芸術的なものに寛容なフランス人の感覚や、自由に取材できないアルジェリアなどを例に、『世の中には色んな考え方があり、色んな意見の人がいる』という話を展開しました。
その上で、子どもたちへの取材を元に作成した2つのニュースを聞いてもらうことに。2つとも担任の先生を紹介する原稿ながら、1つは『大人気ない』『バカタレ!と怒る』と、ネガティブな意見を集めた原稿。もう1つは『何でも相談できる』『優しい先生』といった、ポジティブな意見を集めた原稿。もちろん両方、実際に子どもたちが話した先生の評判です。
「どっちもウソじゃないけど…、どっちも物凄く気持ち悪いよね?」
1つの事実に対して、様々な見方や意見があるという事を体感して欲しくて考えた実験。うまく伝わるのかどうか不安なところもありましたが、授業の最後には子どもたちから、「意見って立場によって違うんや!」といった声も聞かれ、思わず「そうやねん!」と。「だからニュースって色んな考え方、色んな意見を聞いて、それを伝えなあかんねん!」と、嬉しさから、ついつい大きな声で、幾分、力んだ口調にもなってしまっていました。
最後に子どもたちには「ニュースを見る時にはABCだろうが、どこの局だろうが、色んな意見を伝えているか、偏っていないか、厳しくチェックしてね!」とお願いしました。
取材を尽くす、多様な意見を伝えるといったことは報道の基本姿勢。ですが話をしながら、私たちABCが、それを子どもたちに約束しているような緊張感を覚え、改めて、襟を正さないといけないという思いを、持たせてもらえました。みんなありがとう!」
- 半田さんの「いろいろな人たちのいろいろな声、意見を大切にする」という言葉に感動しました。
- テレビの作り方を知ったので、4年生へのニュース発表にいかしたいと思いました。
- アナウンサーだけでなく、カメラマンやディレクター、技術さんたちが一丸となっているから、私たちは毎日楽しい、わかりやすいニュースやTV番組をみれているんだなぁ〜!
- 大きなエレベーターがあって、ゾウが乗れるほどというのに驚いた。
- アナウンサーは本番ぎりぎりまで打ち合わせをしていて、私たちにもっと分かりやすく伝えたいんだなということが分かった。