次回の放送
2025年9月27日(土) 午前11時~
消防ホースが大変身SDG’sな凄腕職人
福永佳久さん 『株式会社 福永』 大阪市中央区
カラフルな色使いのトートバッグ。このカバンの素材は、消防ホース。捨てられるはずだった廃材をアップサイクルしたのです。そして、光に反射し、夜道でも目立つ派手なカバンは、高速道路の横断幕をアップサイクルしたもの。機能性に優れ、オシャレでポップ。SDG’sの時代に注目を集めています。
作るのは創業78年、縫製工場の三代目・福永佳久さん。高度な技術を持つ凄腕職人と評判で、2023年、SDG’s優秀賞に選ばれたこともあります。厚物の工具ケースを縫製する会社を受け継いだ福永さん。アップサイクルの分野に進出したのは15年前ですが、ここに至るまでには、様々な苦労がありました。
この日、大阪の高石消防署を訪れた福永さん。定期的に消防ホースを譲り受けているのです。強力な水圧に耐え、防水素材の消防ホースですが、耐用年数は約10年。これまでは廃棄するしかなかったものに、福永さんは新たな命を吹き込んだのです。
大阪・なんばにある縫製メーカー『福永』。消防ホースをバッグにアップサイクルする工程を追ってみましょう。ホースを裁断し、ベースとなる生地を作っていくのですが、ホースの幅は20cm。折り目を避けて使うとなると、9cmにしかならないのです。そこでホースを縫い合わせるのですが、厚くて硬い生地を縫える特別なミシンと、福永さんの技術と集中力が威力を発揮します。しかし、ここからバッグ作り最難関の工程が待っているのです。
大阪生まれの福永さん。大学卒業後はソフトウェア開発の会社に勤めていましたが、26歳で稼業を継ぎます。最初は苦労の連続でしたが、ミシンの扱いにも慣れ、本格的に仕事を任されるようになった矢先、「2008年のリーマンショックで売り上げが1/3になりました」。
これからの時代に合ったモノ作りとはなにか?思いついたのがアップサイクルだったのですが、実はきっかけとなる出来事がありました。それは、現在中学一年生の長男・裕也君が長年、大切に使っている、幼稚園の制服で作ったペンケースでした。「形を変えれば生まれ変わる」ことに気づいた福永さん。ある行動に出ます…。
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