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公演情報

京都市交響楽団 大阪特別公演

[指揮]下野竜也
[ピアノ]金子三勇士
[管弦楽]京都市交響楽団

日時 2011年4月24日(日) 14:00 開演 13:00 開場
会場 ザ・シンフォニーホール
料金 A 5,000円 B 4,000円 C 3,000円
一般発売日 2010年11月28日(日)
優先予約日 2010年11月26日(金)
プログラム 《リスト生誕200年記念》
リスト:ピアノ協奏曲 第1番

《マーラー没後100年記念》
マーラー:交響曲 第5番
お問い合わせ先 ABCチケットセンター
06-6453-6000

次世代のマエストロ下野竜也さんへインタビュー!
これを読むとあなたもコンサートが聴きたくなる!!



はっきり言って、今の京響を聴かずして関西のクラシックは語れません!!
そして、下野竜也を聴かずして日本のクラシックは語れません!!

次世代のマエストロとして、今一番、注目と期待が集まる下野さん。昨年の小澤征爾さんの代役も記憶に新しい下野さんがこの4月の京響大阪公演に向けて、熱く、ユーモアたっぷりにお話し下さいました!


Q 下野さんは、音楽大学のご出身ではないそうですが、なぜ指揮者を志そうと思われたのでしょうか

 家では、都はるみとか北島三郎とか流れてたんですが、小学生のころからクラシックが好きでジュニアオーケストラに入って、トランペットを吹いてたんです。そして高校3年生のときに、アマチュア・オーケストラですが、生の「第九」を聴いて、ものすごく感動して僕もあそこに立ちたいなと思ったのが、指揮者を志したきっかけですね。
 その後、なれるわけ無いと地元の鹿児島大学の教育学部に進学して学校の先生になろうかと思ったんですが、指揮者になりたい気持ちと半分半分で、大学の学生オーケストラに入ってラッパを吹いたり学生オケや一般の吹奏楽団の指揮をしたりしていました。プロの指揮者の先生が東京から指導に来て下さるので、そこでプロのすごさを目の当たりにして、ますます指揮者への憧れが強くなっていましたね。


Q 下野さんといえば、大阪フィルハーモニー交響楽団で朝比奈隆先生のもと研鑽を積まれていたのが有名ですが、なぜ大阪フィルに?

 東京に出て、桐朋学園の指揮教室に3年間いて、秋山和慶先生の生徒だったので、東京交響楽団によく聴きに行っていたんです。で、1997年の3月くらいに、当時楽団長の方から、「大阪フィルが指揮研究員というのを募集してるよ」と教えていただいて、プロのオーケストラに携われるチャンスなんてないですし、しかも大阪フィルといえばすごい有名じゃないですか、だめもとでも大阪まで受けに来たら運よく合格して。その年の7月から2年間、まるまる大阪フィルの指揮研究員として、指揮者の先生方はもちろん、楽団員のみなさんにも可愛がってもらいました。毎日、練習場に行って、旅行にも連れて行ってもらって、指揮台に立つとはどういうことかというのを、怒られながら勉強させていただきました。
 今でも気をつけないといけないんですが、指揮台の上って自分の意見ばかり主張しちゃうんです。でも、相手は百戦錬磨の、良い演奏経験を持ってらっしゃる方々ですから、そういう方々のアイデアを頂かない手は無いじゃないですか!ブザンソン国際コンクールのときも審査員の人に、一次予選ですぐさまオーケストラとコミュニケーションをとっていく様は良かったといわれて、大阪フィル時代に学んだプロのオーケストラとの接し方や現場経験が大きかったんだなと思いましたね。大阪フィルの指揮研究員になっていなかったら指揮者になってなかったと思うくらい、とても貴重な有意義で幸せな2年間でした。


Q それまでに、大阪には来られたことはあったんですか?

 鹿児島に20年、東京で3,4年住んで、大阪フィルに来るまで、大阪には縁もゆかりもなかったので、あの2年間は強烈な大阪体験でしたね。大阪フィルの人に豊中の庄内がいいよと言われて住んでいたんですが、ディープな下町情緒が溢れてて楽しかったですね。阪急電車で庄内駅に降りて自分の家まで歩いていく途中の商店街で、「楽しくてしょーない」って書いてあって、すごいとこにきたなぁって(笑)。


Q 朝比奈隆先生との思い出についてお話頂けますか?
 
 当時、朝比奈先生が89歳、僕は28歳で、60歳以上違うんですね。でも先生、僕のこと「チビ」って呼んで、すごく可愛がって下さって(笑)。その当時の僕にはまだ分からなかったですが、“指揮者とは何ぞや”というのをいつも教えて下さいました。
 思い出すのは、1999年、ウィーンに留学する直前の4月。大阪フィルの定期演奏会の前座を務めさせていただいたときで、チケットを買ってもらっての演奏会としてはこれが初めてで、楽員の皆さんに燕尾服を餞別で作っていただいて本当に忘れられない演奏会でした。そのとき、最初作っていたポスターのレイアウトで、当たり前なんですが、朝比奈先生が大きくて僕が小さかったんですね。それを見た先生が怒ったらしくて、「たとえ、若い指揮者であったとしても、指揮者としてデビューするんだから、私と同等の扱いにしなさい」って。その話を先生が亡くなってから聞いて、ジーンときて、感動しましたね。今もポスターを持ってますよ。同じ大きさで、初めて見たときは恐縮しましたけど、先生の偉大さというか、本当の優しさというのを思い出しますね。
 あと、先生とフェスティバルホールでの本番前に食事をしたとき、先生が財布を楽屋に忘れてしまって、「君、財布持っているか?あとで返すから」といわれて、あんぱんをおごったんです。“朝比奈隆にあんぱんをおごった男”、これが死ぬまでの誇り(笑)。


Q 初めてのザ・シンフォニーホールの印象はいかがでしたか?

 東京で学生だったときに、関西フィルの指揮をされていた黒岩英臣先生について、入ったのが初めてで、1995年震災の直後でした。ザ・シンフォニーホールで初めて指揮したのは1997年で学校鑑賞会だったんですが、こんないい響きのホールがこの世にあるんだとびっくりしましたね。朝比奈先生のブルックナー・チクルスやベートーヴェン・チクルスを聴いたときも良かったんですが、指揮台の上に立って音を聴くとすごい気持ちが良くて、やっぱりいいホールだなって、それは今でも変わりませんね。


Q この4月は、京都市交響楽団との共演ですが、下野さんと京響さんとの出逢いとは!?

 大阪フィルの指揮研究員の時代に、ときどき練習を観に行かせていただいてたんです。初共演が2001年の8月で、京都市内を巡回するふれあいコンサート。各地区の公民館で、地元の方々との共演があって、僕の京響デビューの曲は「てんとう虫のサンバ」withママさんコーラス(笑)!だから、初めて京響の定期に呼んでいただいた2007年の秋、フランクの交響曲を振る前の挨拶で、「“てんとう虫のサンバ”から、ここまでやってきました」って (笑)。
 老舗の頑固さというか、自分たちはこういう演奏をするんだという主張に加えて、最近はメンバーも変わって、フレキシビリティも高くなって、私からのアイデアにも俊敏に反応して下さったり、それ以上のものを返して下さったり、そういうキャッチボールが楽しいです!それに、今は管楽器もすごく充実して、管・弦・打のバランスがすごい良くて、広上淳一先生のご功績ですね。自分としては、すごく相性がよくて、いつも楽しくやらせていただいてます。京都という先入観で、はんなりとしたイメージもあるかもしれませんが、京響はアグレッシブですよ!


Q 今回のプログラムは、メモリアルイヤーとなるリストとマーラーですが、大阪フィルとの定期など、ブルックナーを念頭においてプログラミングをされている中で、マーラーはなかなか指揮されないと伺いましたが?

 マーラーの曲って素晴らしいですよね。第1番「巨人」から第9番まで、第7番は難しいですけど、第9番は本当に素晴らしいですし、第10番も大地の歌も素晴らしい。ウィーンでもマーラーのレッスンをたくさん受けましたが、素晴らしい指揮者でもありますよね。
でも、彼のスコアを読んでいると、あまり人を信用していないような感じというか、あくの強さというか、ブルックナーの音楽はすっと入ってくるんですけど、マーラーは身も心も準備していかないといけない気がして、本当は少し距離を置いていたんです。
 そんな中で没後100年のマーラーイヤーを迎えて、この2月に福島の市民オーケストラとマーラーの第5番をさせていただくことになって、もしかするとこれはマーラーをやりなさいという流れが出来ているんじゃないかと。難しい曲ですし、逆に思い入れが強すぎるところもあってそれを整理できずにいたんですが、もう一度マーラーを整理したいなと思って、今回のザ・シンフォニーホール公演でやりたいなと思いました。マーラーが考えたであろう曲を、自分なりに自分たちの演奏を通じて聴いていただきたいですね。


Q ずばり、マーラーの「第5番」の魅力とは?

 完全に、マーラーのポートレートですよね。第2番「復活」、第3番、第4番と声楽の入る曲から、第5番はまた純器楽に戻ってきて、歌詞がない分、ある意味抽象的な表現になっているんですが、第4楽章の有名なアダージェットが妻アルマへのラブレターであるように、彼の感情の移ろいが表れているんです。
 音楽って歌が一番素晴らしいとは思うんですが、言葉にならないものを音にするっていうのも大切だと思うんです。この第5番は、マーラーが言葉に出来なかった思いが、ストレートに色んな音となって出てきて、マーラーに会ったことがあるような、彼の言葉が間接的にも響くような作品だと思います。
 第1番「巨人」第2番「復活」をくぐって生まれ来た後の第5番ですし、ベートーヴェンの「運命」を意識しなかったとは思わないし、やっぱり傑作ですよ。
第1・2楽章、第3楽章、第4・5楽章と大きく3つに分かれる作品で、第3楽章のスケルツォを中心としたドラマになっているんですけど、そういった構成感も分かっていただけるようにしながら、あまりにもいろんなところに意味がある曲ですので、焦点がぼけないような演奏にしたいなと思います。


Q 下野さんが指揮をされるに当たって心がけていることは?
 
 昔こういう質問には、楽譜どおりと申し上げていましたが、それもすごく危険な意味があって、でもそうはいっても僕の場合は、その作品が生まれた以前のアイデア・音楽で演奏するよう心がけています。たとえば、今回のマーラーを演奏するときは、マーラーの時代までのアイデアで演奏すると。その当時の様式や生活を考えること、それが伝統芸能を姿勢、矜持だと思っています。


Q ところで、昨年、小澤征爾さんの代役で、サイトウ・キネン・オーケストラを指揮されたのは大きなニュースとなりましたね。
 
 実際に本番を振ると分かったときは、試練ではなくて自分に課せられた課題というか、ネガティブではなくポジティブに考えて迎えました。もちろん小澤先生からご指名を受けての代役は光栄なことなんですが、ご病気にもかかわらず音楽に向かわれ、あたかも命を削って指揮台に立たれている先生のお姿に、何十年もの間、日本人として世界の第一線で活躍されてきた方の技術と精神力と人間力というのを間近で見せて頂いたことに、まず感謝しています。
 かつて大阪フィルで朝比奈先生や色んな先生に教えて頂いた経験を、今度は小澤先生で経験できたなと、まだまだ勉強しないといけないと思い知らされましたし、今後自分がどういう道を歩いていくかという大きな指針になりましたね。


Q 下野さんの今後のご活動について教えていただけますか?

 少しずつ海外の演奏会もあったりするんですがチャンスがあればいくって感じで、でもどこでやっても一生懸命やることには変わりないわけで、まずは、読売日響の正指揮者として、今できる面白いプログラムを構成して皆さんに聴いて頂きたいです。また、自分もジュニアオーケストラ出身ですし、霧島の音楽祭にも関わっていますので、子供たちへのエデュケーションプログラムも大切にしていきながら、一つ一つのコンサートを誠実にやっていきたいですね。


Q 最後に、シンフォニアの読者の皆さんに、熱いメッセージを!

 今回のソリスト金子三勇士さんは素晴らしいピアニストです。広上先生の指揮でショパンを演奏されたのを東京で聴きまして、久々の新人大型ピアニストの誕生ですね。大阪ザ・シンフォニーホールでは初めてですし、またハンガリーで勉強されている方ですから、彼のハンガリーのエッセンスを僕も楽しみで学びたいし、ぜひそれを注目していただきたいですね。
 はからずも、今回はリストとマーラーというアニバーサリー作曲家が並んだ、自分たちで言うのもなんですが、いいプログラムになりました。京響のマーラーというのも大阪でめったに聴けないですし、僕が大阪で京響を指揮するのも初めてですから、いってみれば異色の取り合わせですよね。僕もまた違った面でシンフォニーホールの指揮台に立つのを楽しみにしていますし、ぜひ、皆さんもお誘い合せの上、お足をお運び下さい!自称下野シリーズ最初にして最終回?イケメン指揮者の聖響シリーズではありませんが、イケメンピアニストですし、ぜひぜひ来て下さい(苦笑)



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ピアノの魔術師リスト&交響曲の革命児マーラー!
メモリアルイヤーに下野竜也が挑む!
京都市交響楽団 大阪特別公演


はっきり言って、今の京響を聴かずして関西のクラシックは語れません!!
2008年4月、広上淳一氏が常任指揮者に就任して以来、破竹の勢いで観客動員を増やし続けている京都市交響楽団。「もしかすると二度と出会えないほど凄まじい演奏になるのでは・・・」と聴く前からワクワクする、今の京響は、そんな期待感に溢れています!
立見券まで出た前回7月のコンサートで魅せた、密度の高い『音』から生まれる豊潤なサウンド。今回は、そんな京響サウンドに新たな息吹を伝えるべく、現在最も将来を嘱望される指揮者、下野竜也が登場します!
鹿児島に生まれ、大阪フィルの指揮研究員として朝比奈隆氏の薫陶を受けた下野氏。楽譜に忠実でありながらも、躍動感溢れ新鮮さを感じさせる音楽作りは、各方面で高く評価され、世界中から注目が集まっています。まさに、今、一番聴くべき指揮者とオーケストラ。この春、期待度満点のタッグが、メモリヤルイヤーとなるリストとマーラーをお届けします。
前半は、ハンガリーの血を継ぐ若きピアニスト金子三勇士を迎えてのリスト「ピアノ協奏曲第1番」。華麗なピアノテクニックを存分に楽しめる傑作を、ザ・シンフォニーホール初登場の俊英がどう料理するのか是非ご期待下さい!そしてメインは、大迫力のサウンドでお届けするマーラーの傑作「交響曲第5番」。映画「ベニスに死す」でも有名なアダージェットの世にも美しきメロディ、そして壮大なクライマックス。下野氏ではなかなか聴くことの出来ないマーラーのダイナミックでロマンティックな響きを心行くまでご堪能ください!
輝かしい金管、ふくよかな木管の音色に、各弦楽器のフレーズが美しく絡み合い生まれる壮大な音絵巻。この春、薩摩と京都の志士たちが、音楽で天下取りを果します!

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