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公演情報

アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル

[ピアノ]アレクサンダー・ガヴリリュク

日時 2011年6月5日(日) 15:00 開演 14:00 開場
会場 ザ・シンフォニーホール
料金 A 5,000円 B 4,000円 C 3,000円
一般発売日 2011年1月23日(日)
優先予約日 2011年1月20日(木)
プログラム ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 「月光」 op.27-2
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパン:2つの夜想曲 op.48
ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 op.20

ラフマニノフ:楽興の時 op.16
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 「戦争ソナタ」op.83
お問い合わせ先 ABCチケットセンター
06-6453-6000

巨匠への王道を着実に歩む、ウクライナの貴公子
ガブリリュクが、ついに来日!!
早速、メッセージが届きました!!


 10年前、日本に初めて来日した時から聴衆の皆様との強いつながりを常に感じてきました。今回の災害のニュースを知った時は本当にショックで心が痛みました。こうした状況の中、日本で演奏出来る事の意味深さを感じています。
 音楽が表現する様々な思いや感情を共有出来る時間と空間は、スピリチュアルな経験ともいえます。今の様に大変な状況においても、音楽が言葉や文化の違いを越えて、私達を一つにしてくれると信じています。ファンの皆様にお会いできるのを楽しみにしております!



〜ガブリリュクの今を知る貴重なインタビュー!〜

Q リサイタルはとても多彩なプログラムですが、どのように選曲されたのですか?

 新しいレパートリーに加えて、若い頃に演奏した作品を再び取り入れました。経験と知識がついて当時と異なる認識をするようになった音楽を、また日本のみなさんと共有したかったのです。
たとえばショパンには、新しい境地を感じています。正しいスタイルで演奏されたときに生まれる力強さ、ポーランド人の魂や、深い悲しみ、人間の内面にある影や美しさ。作品をますます愛するようになりました。また、16歳で初めて演奏したベートーヴェンの『月光』にも、無限に発見の可能性があります。ベートーヴェンの、悲劇、そして自らの運命の受容、古典的な美しさの中にある、精神的な力強さ。……と、語ることはたくさんできますが、言葉は音楽にどんなに近づいても言葉でしかありませんからね。


Q ウラディーミル・アシュケナージ氏をはじめ、著名な指揮者やオーケストラとの共演は、どのような経験となっていますか?

 アシュケナージ氏の作品に対峙する、ポジティブで健康的な姿勢にいつも感動します。彼の前ではなぜか楽に自由になることができて、質問をして話あうことができる。すばらしい経験です。
 優れた音楽家と共演するとき、僕はステージでとてもリラックスできます。共演者が伝えたいことをすぐに理解してくれるので、自由に自分の表現をすることができるからです。学ぶことも多く、貴重な経験ばかりです。

【ウラディーミル・アシュケナージ氏が、10月8日(土)ザ・シンフォニーホールにやってきます!「ウラディーミル&ヴォフカ・アシュケナージ ピアノ・デュオ」公演詳細は、ザ・シンフォニーホールHP内にて】
 

Q ここ最近、音楽以外のことで変化はありましたか?

 やはり3年前に結婚したことですね。人生に、すばらしい変化をもたらしました。演奏も変わったと思います。音楽をはじめ、人生の特別な経験を妻と共有することで、すべてが2倍すばらしく、貴重なものに思える。そういう想いとともに新しい経験を求めて生きていける僕は、とてもラッキーだと思います。


Q ステージで演奏する時と、ひとりで演奏する時ではどのような感覚の違いがありますか?

 僕の音楽に最もインスピレーションを与えるのは、聴衆とのつながりです。人間は個々に異なるものですが、深いところでは何かが共通していることを実感するような、同じ感覚を共有し、ひとつになる感覚です。
 一人でピアノを弾くときは、作品の真髄に近づくため自分の音に集中します。これはつまり、すばらしいニュースを自分ひとりで噛みしめている状態。でも、その幸福をたくさんの人と分かち合うことができたら、喜びは何倍にもなりますね。音楽も同じだと思います。ですから、僕はもし無人島に自分しか存在しなければ、ピアノは弾かないと思います。誰かと分かち合うことができないならば、ピアノは弾きません。


Q 子供のころ音楽学校に入るとき、お母様が「練習が続かないだろうから合唱を」と勧めたけれど、ピアノを選んだそうですね。

 その話、実は合唱のクラスから追い出されたというのが正しいんですよ。僕が大きな声で歌いすぎるし、何かっていうとすぐにソリストになろうとするから、ピアノにしておきなさいと先生に言われてしまったんですって(笑)。
 その頃に比べると僕にとってピアノの存在は大きく変わりましたね。ずっと自然の流れでピアノを弾いてきましたが、18、19歳ごろになってようやく、音楽とは何かを改めて考え、かけがえのないものと感じるようになりました。僕のピアノへの想いは、本当に美しい形に成長したと思います。


Q 美しい音を出すために必要なことはなんでしょうか?

 長い練習を要することですが、体がひとつの流れとなるような、正しい形を保つことです。体の動きは、言ってみれば、聴衆へのエナジーの流れにまでつながるわけです。鍵盤にどう触れるかは考えません。音の質は、伝えようとする感情を想っていれば、自然にそれにふさわしいタッチとなり、適した音質を創り出すことができるのですから。……希望ですけどね(笑)。


Q ザ・シンフォニーホールでは、10年前の2001年、大阪シンフォニカー(現大阪交響楽団)とモーツァルトのピアノ協奏曲第23番を共演されていますね。

 はい、モーツァルトの演奏がとても楽しかったこと、終演後にすてきなレセプションがあったことをよく覚えています。このとき、大阪シンフォニカー(現大阪交響楽団)に、グルジア人のヴィオラ奏者とチェロ奏者の友達ができて、とても楽しい時間を過ごしたんですよ。すばらしい思い出です!
 その時はツアーがとてもタイトな日程で大阪の街を見る時間がまったくなかったので、今回は街を見て、何かに挑戦する時間があるといいです。


Q 大阪の聴衆のみなさんにメッセージをお願いします。

 東日本大震災の後という大変な時期に、大阪のみなさんと音楽を分かちあうことができるのを、とても光栄に思います。音楽家としては被災地の惨状を前に涙を流すことしかできませんが、そんな時でも音楽は人の心に愛をもたらすと思います。辛い局面で、感情的な面での助け、「日常」に戻ることの助けとなるのではないでしょうか。みなさんにお会いできるのを、楽しみにしています。

聴き手:高坂はる香(音楽ライター)


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偉大なるピアニズムの継承者「ウクライナの貴公子」が初リサイタル!
アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル


20世紀の偉大なピアニスト、ホロヴィッツとリヒテルを生んだ国、ウクライナ。ヨーロッパの穀倉地帯としても知られるこの国の生んだ近年の最高傑作といえるピアニストが、アレクサンダー・ガヴリリュクです。
2000年11月、あどけない顔をした16歳の少年は、第4回浜松国際ピアノコンクールで、審査員満場一致で第1位に輝きました。同コンクール審査委員長の中村紘子氏は、“信じられないほどの完成度で、超絶技巧だけでなくつややかでロマンティックな音楽性をもつ「20世紀後半最高の16歳」”と絶賛しています。
超絶技巧の曲を難なく弾きこなす天才ピアニストとして一躍名を上げたガヴリリュクですが、いよいよこれから、という2002年に、交通事故で頭蓋骨陥没という重傷を負い、再起不能とまで言われたそうです 。
その後奇跡的に回復、再び第一線に戻って来たわけですが、以前はややテクニック偏向のきらいもあった演奏に深みと円熟味が増した、といいます。人生の挫折を経験した人間はやはり一味違いますね。
今回初リサイタルとなるザ・シンフォニーホールで披露してくれるのが、デビュー・アルバムにも収録されているベートーヴェン「月光」、そしてショパンの幻想即興曲などからなる前半。深い洞察力が必要とされるベートーヴェン、そして誰もが息を呑む幻想即興曲の軽やかな嬰ハ短調のパッセージ…。
後半は一転、ラフマニノフの「楽興の時」とプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番というロシア特集です。特に「戦争ソナタ」の別名でよく知られているプロコフィエフのソナタは隙のない構成、野性的な活力といったプロコフィエフの音楽的魅力が余すことなく発揮されており、作品それ自体で圧倒的な存在感を持っています。
様々な苦難を乗り越えてきた天才少年が鮮やかな脱皮をとげた今、アレクサンダー・ガヴリリュクが私たちの心を震わせてくれるでしょう。

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