井上道義指揮 サンクトペテルブルク交響楽団
[指揮]井上道義
[管弦楽]サンクトペテルブルク交響楽団
日時 |
2013年4月20日(土) 15:00 開演 14:00 開場 |
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会場 | ザ・シンフォニーホール |
料金 | A 12,000円 B 10,000円 C 8,000円 D 6,000円 |
一般発売日 | 2012年11月25日(日) |
優先予約日 | 2012年11月23日(金) |
プログラム | チャイコフスキー:幻想的序曲 「ロメオとジュリエット」 ストラヴィンスキー:バレエ音楽 「火の鳥」(1919年版) ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番「革命」 |
お問い合わせ先 | ABCチケットセンター 06-6453-6000 |
アッと驚くアイデアをもって、スケールの大きな音楽を描き
私たちを未知なる世界へと連れて行って下さったマエストロ井上道義さん!
意外にも自身初となる海外オーケストラの日本ツアーに向けて、
貴重なメッセージを頂きました!
さすがは、我らが道義さん!本音(?)も詰まった必見のインタビューです!!
サンクトペテルブルク交響楽団との最初の出会いについて教えて下さい。
1975年です。まだ完全にソビエト連邦時代でした。ホールもホテルも今と変わりないですが、その頃は太ったオバサンがホテルの各階に見張りをしていましたし、部屋のお湯はちょろちょろとしか出ませんでした。しかしながら、オーケストラはその頃の規律が素晴らしく、こんなオケだったら指揮者は楽だなと…と若いながらも感じていました。でもそれはかなり浅はかな感想であり、そこまで行くのには大変な歴史があるのです。当時、マリス・ヤンソンスが副指揮者でまだオケを指揮するチャンスがなく、道義が指揮するのをご機嫌斜めで見ていたのを強く覚えています。ヴェルディ「運命の力」序曲や、ベルリオーズ「幻想交響曲」などを振りました。
2007年に日比谷公会堂で開催され、大きな話題を呼んだショスタコーヴィチ・プロジェクトでもサンクトペテルブルク交響楽団と共演されました。
日本公演のリハーサルを行うために現地に出向いたところ、大ホールが抑えることができなかったようで、恐ろしく狭い場所でショスタコの7番の練習した不幸な記憶があります。オケ側は、俺達の宝の曲をこの極東の指揮者がどう振るのかと興味津々でしたね。私なりにかまわずガンガン練習しました。多少、昔の響きが管楽器には残っていましたが、弦楽器は昔の方がうまかったなあ…と感じながら。ですが、やはりこのオケには強い意志のようなものが、音楽の背骨があります。大好き。2007年の日比谷公会堂では、千葉県少年少女オーケストラが第1番のシンフォニーを猛烈に頑張って演奏したのを、彼らは楽屋で聴いていて、その後に第7番を演奏したため、前日の2倍頑張っていましたよ。終わってからは子供達からの花と握手の嵐。こういうのが本当の文化交流なのだなと強く感じました。世代も国も越えてのお互いの誇りのぶつけ合いです。
現地サンクトペテルブルクでも共演されていますが、日本で指揮されるときと比べていかがですか?
お客さんの質が素晴らしいです。自国の作曲家を詳しく理解している人ばかりなのが、指揮台に立つといっぺんで判ります。その点、バレエやオペラは観光客が多いですから違いますが。
オーケストラ・アンサンブル金沢ほか、数多くのオーケストラを指揮されているマエストロからみて、サンクトペテルブルク響の魅力とは?
やはり、音楽が必要な場所に、必要な人のために、必要な人が演奏しているという事です。世界と比べると賃金基準が安いため、優れた演奏家が外国に出て行く傾向が続いているのはとても残念ですが、やはり人はお金のみで動かないのです。
大阪公演では、あの伝説のショスタコーヴィチ・プロジェクトの感動が蘇るショスタコーヴィチの交響曲第5番を、そして前半にはチャイコフスキー「ロメオとジュリエット」ストラヴィンスキー「火の鳥」という、骨太のオール・ロシア・プログラムになりました。
「ショスタコ5番はこうあるべきだ!」という演奏をします。間違いなくショスタコーヴィチ第5番には一つの解釈しかないと信じています。楽譜に全て書かれています。ただし、それを読み解くのは、そこに育ち同じ学校で勉強したことのある一つの常識を共有できる人のみが知っているのかもしれません。道義はその様な世界にとても憧れます。大きなスーパーマーケットの品揃えの様な、異常に選択を迫られることのない世界に。
チャイコフスキーは僕がどれだけロメオになれるか、ストラヴィンスキーは多少牛刀で暴れるような、あのオケがどれだけ精密且つロマンティックな音のお伽話が語れるか。やれるだけのことはやってみます。
以前、マエストロはショスタコーヴィチに共感の念を抱かれていると伺いましたが、具体的にどのような思いを持たれているのでしょうか?
それは簡単には語れません。道義の生い立ち、生涯、マーラーへの傾倒、冷戦時代での東欧圏での多くの体験、男ばかりだった京都市交響楽団と古い京都会館でのショスタコーヴィチへの開眼、ロシア内での小都市オケとのショスタコツアー、日比谷公会堂の再発見、ショスタコーヴィチ全曲演奏会への大借金、所属事務所との葛藤・・・など、全てが僕の今のショスタコーヴィチにたどりつかせる種でしたから。
2012年は、ザ・シンフォニーホール開館30周年記念ガラ・コンサートで、堂々たる素晴らしい演奏を聴かせていただきました。マエストロにとってこの30年は、どのような30年でしたか?
14才の時にプログラムされた人生の実現と脱線からの回復への楽しい回り道、想像の世界に浸るナルシスティックな生き方を曲げず、芸術至上主義が判らないお役目の人たちや、生活のために身を守ろうとする芸術集団の中の一部との戦いに明け暮れました。最近では、富士山の景色と、庭の開墾に心を癒され、旅行に眼を洗われました。
ザ・シンフォニーホールでの思い出や、エピソードなど、改めてお伺いできますと幸いです。どんなお話でも、ぜひお聞かせ頂ければ幸いです。
音楽的にはプログラムも含めて試行錯誤の連続の一言です。ヘルベルト・フォン・カラヤンと中華料理を食べた「プラザホテル」、朝比奈隆さんと寿司を食べた「プラザホテル」、第九の寸前、尿路結石の発作で七転八倒した「プラザホテル」が隣にないのが淋しいね。
最後に、マエストロの長いキャリアの中で、海外オーケストラと全国を回るツアーは、意外にも初めてだと伺いましたが、ぜひ今回のツアーについての意気込みを熱く語っていただけませんでしょうか!?
自らやろうと言い出さなかったことだからだと思います。こういう欲がないのです。例えば、ウィーン・フィルとか、シカゴ響と全国ツアーをお願いされても「そんな大変なのはヤダよ・・・」とか言ってしまいそうだし。でもこれからは、自分の殻を破ってなんでも挑戦してやろう!という気概がマグマのように湧いています。今回サンクトペテルブルグ響とのツアーはその布石かな。どうぞ期待していてください!
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壮絶な、爆発的なサウンドが放つ“ロシアの神髄”
井上道義指揮 サンクトペテルブルク交響楽団
これが、私たちがまだ聴いたことのない“井上道義サウンド”なのか!?
ザ・シンフォニーホール開館30周年記念ガラ・コンサートで、大迫力の「ローマの松」を轟かせたマエストロ界の鬼才、井上道義さんが、今度はロシアの名門サンクトペテルブルク交響楽団を率いて凱旋公演で帰ってきます!!
東京の日比谷公会堂で2007年に開催された、マエストロ井上プロデュースの伝説的なプロジェクト「ショスタコーヴィチ全曲演奏会」で、ショスタコーヴィチの交響曲第1番〜第3番、第5番〜第7番、第10番、第13番の8作品をまとめて上演し、その爆発的な演奏で一躍話題をさらったサンクトペテルブルク交響楽団。1931年に創立され、ムラヴィンスキーやテミルカーノフら錚々たる大指揮者が指揮台に立ち、リヒテルやオイストラフなどロシアの偉大なるアーティストたちとも共演を果した由緒正しき名門オーケストラです。ムソルグスキーやチャイコフスキーはもちろん、ショスタコーヴィチの演奏は比類がなく、第2次世界大戦中ドイツ軍に包囲され攻撃される中、このオーケストラだけが市内に留まり“交響曲第7番「レニングラード」”を演奏し続けたというエピソードは、今でも伝説として語り継がれています。
そんな誇り高きロシアの魂を受け継いでいるサンクトペテルブルク響と井上道義マエストロ。現地でも何度でも共演し賞賛を得ている、この不動のコンビが、“チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ”という無敵のオール・ロシア・プログラムで登場します!濃厚なロマン溢れる幻想序曲「ロメオとジュリエット」、神々しきフィナーレが美しい「火の鳥」、そしてメインは、ショスタコーヴィチの鋼鉄の意志が光へと昇華する交響曲第5番!「ショスタコーヴィチは僕自身」だと語るほどに彼の音楽を愛するマエストロの<魂の叫び>が聴こえるような、凄まじいオーケストラサウンドをぜひご期待ください!
本場ロシアのオーケストラが、大音量で“ロシアの神髄”を奏でる!まさに、“壮絶”という言葉がふさわしい壮観なステージが、ザ・シンフォニーホールの春を告げます!