≪出演者(伴奏ピアニスト)変更のお知らせ≫

5月31日の「前橋汀子ヴァイオリン名曲選」に出演を予定していたロシア出身のピアニスト、イーゴリ・ウリヤシュ氏が急逝いたしました。
ウリヤシュ氏は1965年、レニングラード（現サンクトペテルブルク）生まれ。
ソリストとしてサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団をはじめ世界各地の楽団と共演を重ねたほか、優れた室内楽の名手としても活躍しました。
ウリヤシュ氏のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

なお、ウリヤシュ氏が出演を予定しておりました「前橋汀子ヴァイオリン名曲選」【2014年5月31日 (土) 14:00 開演／ザ・シンフォニーホール】につきましては、松本和将氏（ピアノ）が出演いたします。また、演奏予定曲目に変更はございません。


≪前橋汀子さんからのメッセージ≫
この度、長年私の伴奏を務めていたピアニストのイーゴリ・ウリヤシュが
急逝いたしました。突然の訃報に接し、私自身としてとても驚いております。
今年も5月31日ザ・シンフォニーホールでのコンサートを彼も大変楽しみにしておりましたのに残念でなりません。
新たなピアニストとの演奏会になりますが、どうぞ皆様に聴いていただけますよう引き続き、よろしくお願いいたします。　　前橋汀子


【松本和将　プロフィール】
1997年ホロヴィッツ国際ピアノコンクール第３位。
1998年第67回日本音楽コンクールに優勝し、併せて増沢賞はじめ全賞を受賞。
2001年第53回ブゾーニ国際ピアノコンクール（イタリア）第4位。
2003年には世界三大コンクールの一つ、エリーザベト王妃国際音楽コンクール（ベルギー）では第5位入賞を果たす。
1999年より世界へ向けて活発な演奏活動を開始。
2006年、ベートーヴェン３大ピアノソナタで全国ツアー。
2009年より３年連続で、オールショパンプログラム全国ツアーを行う。これまでにレコード芸術の特選盤を含む12枚のCDをリリース。
近年は、和楽器とのコラボレーションやジャズなど、ジャンルを超越した音楽活動にも取り組んでいる。また、東京芸術大学非常勤講師（２００８〜２０１２）、くらしき作陽大学特任准教授として、後進の指導にもあたっている。
多彩な輝きを放ち続けるピアニストとして、観客はもちろん、世界中の演奏家達からも注目を集めている。
公式ＨＰ：http://www.kaz-matsumoto.com





五月の風にのせて　優雅な午後のひとときを！
前橋汀子　ヴァイオリン名曲選


前橋汀子さんが奏でるベートーヴェンの「スプリング・ソナタ（春）」を客席で聴いたことがあります。第1楽章が終わったところで思わずわき起こった拍手に､前橋さんはいささかも動じることなく、莞爾としつつも緊張を緩めることなく、ゆっくり間を取って第2楽章の演奏に入り、その女王然とした威厳と風格に圧倒されました。
楽器の女王と言われるヴァイオリンの名曲を、出来るかぎり多くのお客様に気軽に聴いていただきたいという前橋さん自身の想いから始まったこのシリーズ。いわゆる名曲小品集と、規模の大きな構成のしっかりしたソナタ等の組み合わせで、ヴァイオリンの魅力を伝えてきました。
今回リサイタルの前半で演奏されるのは、10曲あるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中で、前述「春」と並んで有名かつ人気の高い「クロイツェル」です。3つの楽章に激しさとおだやかさと輝かしさが次々と現われるベートーヴェン中期の傑作であり、ヴァイオリン・ソナタ史上の金字塔とも言える作品です。
そして珠玉の名曲が散りばめられた後半のハイライトは、知らぬ人なきサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」。?ツィゴイネルワイゼン?とはドイツ語で「ジプシー（ロマ民族）の旋律」のこと。めくるめくような情熱と憂愁と狂騒の中の忘我と恍惚を、前橋さんのヴァイオリンでどうぞお楽しみください！