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公演情報

松田華音 CD発売記念ピアノ・リサイタル
〜名門ドイツ・グラモフォンより鮮烈デビュー!〜

[ピアノ]松田華音

日時 2015年4月4日(土) 14:00 開演 13:00 開場
会場 ザ・シンフォニーホール
料金 全席指定 4,000円
一般発売日 2014年11月23日(日)
優先予約日 2014年11月21日(金)
プログラム ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 「ワルトシュタイン」 op.53
ショパン:バラード 第1番 ト短調 op.23
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 「英雄」 op.53

ラフマニノフ:幻想的小品集 op.3より
  第2番 前奏曲 嬰ハ短調「鐘」
  第3番 メロディ ホ長調
ラフマニノフ:10の前奏曲 op.23より
  第5番 ト短調
  第4番 ニ長調
  第2番 変ロ長調
スクリャービン:8つの練習曲 op.42より
  第4番 嬰ヘ長調
  第5番 嬰ハ短調
スクリャービン:ワルツ 変イ長調 op.38
シューマン/リスト:献呈

※当初の発表より、曲順が変更になっております。
お問い合わせ先 ABCチケットインフォメーション
06-6453-6000

松田華音☆スペシャルインタビュー!
モスクワからのメッセージが届きました。


─昨年秋にドイツ・グラモフォンからデビューされて、ご自身を取り巻く環境にも変化があったのではないかと思います。何か変わったと感じることはありますか?
デビューをきっかけに演奏する機会が増えたことは、嬉しいですね。これまでは、学校が休みになる夏ぐらいしか日本に帰ってくることができませんでしたが、今年はコンサートがあるので帰国する回数が増えそうです。ただ、毎日自分が変化しているということはあるにしても、デビューしてから自分の中で何かがが大きく変わったということはありません。

─6歳から学んだモスクワのグネーシン音楽学校を卒業して、昨年秋からモスクワ音楽院に入学されました。学校やクラスの雰囲気には違いを感じますか?
やはり違いますね。授業は一般教養もあったこれまでに比べ、より専門的で、音楽的に深いことを教えてくれるものが増えました。
クラスの方は、現在ミハイル・ヴォスクレセンスキー先生に師事しています。これまでグネーシンで師事していたのは女性の先生だったので、とても新鮮です。男性の先生は、弾き方も教え方も違います。それと、同じ感情でも男性と女性では感じ方が違うのかもしれないと思うことがあります。先生が、ここはこの感情を表しているのではないかと言って弾いてくださるとき、思っていたのとまた違うアプローチだと感じることがあるのです。例えば同じ“哀しみ”でも、女性と男性の感じ方は少し違うのかもしれません。いろいろな解釈を試し、取り入れていきたいです。

─グネーシン時代は、エレーナ・イワノーワ先生に師事されていたそうですが、師から学んだことで一番印象に残っていることは何でしょうか?
いつも、演奏の前にその音楽で何が言いたいのか、伝えたいのかをしっかりイメージしなさいとおっしゃっていました。自分でそれがわかっていれば、技術的な面はすべてついてくるものだと思います。もちろん、普段しっかりと練習をしていればの話ですが(笑)。
先生が目の前で弾いてくださると、とにかく本当にうまくて、魔法みたいなんです。先生は一体何を考えて弾いているのだろうと思っていました。

─そんな作品を通して伝えたいことのイメージというのは、どのようにしてご自分の中に生まれるのでしょうか?
いろいろな場合があります。イメージが思い浮かぶのは、ただ座って曲のことを考えているときもあれば、外を歩いているときもあります。私は読書が趣味で、特にドストエフスキー、プーシキン、トルストイ、ショーロホフなどロシアの作家の作品が好きなのですが、例えば、この音楽はこの文学作品の主人公の気持ちに近いのではないかとふと思いつくこともあります。そうすると、より具体的に作品のイメージを掴むことができます。

─イワノーワ門下の先輩には、2010年ショパンコンクールに優勝したユリアンナ・アヴデーエワさんがいます。初めてのクラスコンサートでご一緒だったそうですね。
はい、私が1年生で入った時、ちょうど卒業生の学年にユリアンナさんがいました。彼女は当時17歳でしたが、すでに大人っぽくて迫力がありました。今の自分が当時の彼女と同じ年齢だとは思えません(笑)。

─6歳でモスクワに留学されて、生活の中で苦労したことはありませんでしたか?
私が苦労したことはあまりありませんでしたね。ロシア人のみんなと学校で授業を受けているうちに、気づいたら言葉も喋れるようになっていましたし。でも、母は言葉もわからない国で大変だったと思います。

─そうすると松田さんは、どちらかというとロシア人的な感覚のほうが近いのでしょうか?
日本で育っていたらどうなっていたかわからないので、自分ではなんとも言えませんが(笑)。確かに、普段の生活では不便なことが当たり前になっているので、そうじゃないと、あれ?と思うところはありますね。日本のように、お店に何でもそろっているとか、夏の暑い日に建物の中に入るとクーラーが効いていて涼しいとか、そういうことにもすごいと思ってしまいます。

─今回はCD発売記念リサイタルということで、デビュー盤に収録されている作品をたくさん披露してくださいます。まず、リサイタルの冒頭はベートーヴェンの『ワルトシュタイン』です。
グネーシンの卒業試験で演奏した作品です。この曲は、アヴデーエワさんも卒業試験で弾いていたのですが、その時初めて聴いて、大人になったら弾いてみたいと思っていました。さまざまなことがヒントになって演奏するたびにイメージは変わってゆくので、録音の時とはまた違う演奏になると思います。同じものを2回弾くことは、ロボットにしかできません。これはすばらしいイメージだと思っていても、忘れてしまうことだってあるかもしれません(笑)。その時に生まれてくるイメージを大切にしたいです。

─他にも多彩なプログラムが用意されていますが、中でも思い入れの強い作品は?
スクリャービンです。2013年の2月にグネーシンで2012年の最優秀生徒という賞をいただいたのですが、そのガラコンサートでも演奏した思い出の作品です。
最初は先生から勧められて弾いてみたのですが、すばらしい作品でとても好きになりました。音楽から、匂いや光など音以外の要素も感じます。彼は実際、そんな、五感で感じられるものをすべて使った音楽を創ろうとしていたそうです。スクリャービンの作品は、どこか宇宙とつながっているような気がするのです。独特の世界観があります。ラフマニノフとモスクワ音楽院の同級生だったとは思えないほど、作風がまったく違います。

─ロシアの作曲家には近いものをお感じになるのですか?
やはりロシアに暮らしていますから、そうですね。例えばラフマニノフの作品には、昔からのロシア人の心や、歴史の中で受け継がれたものが入っていると感じられます。とはいえ、天才的なすばらしい作曲家たちの作品を、幅広く演奏していきたいと思っています。


─日本にいらしたころ、最初は3歳でバレエを習い、その後にピアノを始められたそうですね。ピアノに強く惹かれるようになったのはいつのことでしたか?
実はこの最初に習ったバレエが合わなかったようで、レッスンのたび、いつも行きたくないと泣いていたそうです。母が好きで、女の子だから習わせようと思ったそうなのですが。今も観るのは好きなのですが、バレエのレッスンは本当に嫌いでした(笑)。
その後始めたピアノは合っていて、習い事として続けるようになりました。ピアノっていいものだなと意識したのは、モスクワに行って2ヵ月後、前述のイワノーワ先生のクラスコンサートに出たときのことです。ステージで演奏するのって気持ちがいいなと思って、そこから楽しいと感じるようになりました。なので、どちらかというとピアノを弾くということより、ステージで演奏し、表現するということに魅力を感じたのだと思います。それが、自然にピアニストになりたいという考えにつながりました。

─そうすると、松田さんにとってピアノを弾くということは、聴く人に届けるためということが一番の目的となるのでしょうか? 作曲家のため、自分のためなど、いろいろな演奏家がいらっしゃいますが。
はい、私の場合は、聴いてくださる方に届けるためという考えです。音楽というのは、心を休めるためにあるものだと思います。もちろん、演奏する側はさまざまなことを考えて作品に取り組みますが、聴いてくださる方にとっては、とにかく気持ちがよくなるものであってほしいと思うのです。曲に込められている意味とか、作曲家がどういう人物だったかというよりは、とにかく聴いて楽しかったと感じてほしい。ですからプログラムも、素敵だと感じられるものを選びます。自分がそれを感じていれば、聴いてくださるみなさんにも伝わると思うので。

─ステージの上で集中力をキープする秘訣は何かありますか?
特別なことは何もしていませんが、本番前は、自分が作ったイメージの中に入っておくようにします。リハーサルでもぎりぎりまで演奏するということはなく、自分の中にためておいてそれをステージで出そうと考えるタイプです。なので、本番直前はちょっと話しかけにくい雰囲気になっているみたいです(笑)。

─今年は日本での公演も多いということで楽しみです。7月には地元・香川でプレトニョフ指揮/ロシアナショナル管と共演される予定もあるそうですね。プレトニョフさんとは既に共演経験もあるかと思いますが、どんな方でしたか?
思ったことをはっきりおっしゃる、正直な方です。お会いする前はどんな方なのか想像がつかなかったのですが、とても良い方でした。リハーサルの時、オーケストラなしでマエストロに弾いてお聴かせしたら、弾きやすくなる手の動きなどのアドバイスをくださってとても勉強になりました。本番前に固くなっていたら、冗談で和ませてくれたこともありました。例えば、「この後ステージに出ていって、もしピアノの前に誰か他の人が座っていたらどうする?」とか、一瞬どう反応したらいいのかよくわからないジョークだったりするのですが(笑)。

─最後に、こんなピアニストになりたいという目標があればお聞かせください。
やはり、「喜びを与えられるピアニスト」ですね。コンサートを聴いて、来てよかった、心が楽になったと感じていただける、そんな演奏ができるピアニストになりたいです。


◇高坂はる香(音楽ライター)◇

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松田華音 CD発売記念ピアノ・リサイタル
〜名門ドイツ・グラモフォンより鮮烈デビュー!〜


 非凡な才能を見出され、わずか6歳でロシアに渡りあの世界的ピアニスト、キーシンも輩出したグネーシン音楽学校で高度な音楽教育を学んだ松田華音。7歳でエドワード・グリーグ国際ピアノ・コンクール優勝。その後、数々のコンクールで優勝し、昨年グネーシン音楽学校最優秀生徒賞をロシア人以外で初めて受賞し、今年6月に首席で卒業。今秋からはロシア最高峰の音楽教育機関モスクワ音楽院に日本人初のロシア政府特別奨学生として入学し更なる研鑽を積む松田華音。ロシアを中心に披露されてきた松田華音のピアニズムは聴衆や共演者の心をつかみ、世界のクラシック音楽界に衝撃を与え始めていました。
 そして、クラシック界の名門レーベル=ドイツ・グラモフォンが今年11月上旬にCD発売を決定。タイトルは「松田華音 デビュー・リサイタル」(UCCG-1689)。
 ベートーヴェン、ショパン、そしてラフマニノフにスクリャービン。ザ・シンフォニーホールのステージにデビューするにふさわしいプログラムは、幼少期からロシア・ピアニズムを極め続ける1996年生まれ、18歳の松田華音の現在を語るメッセージとともに聴く者の心に届けられるでしょう。
“溢れ出る感情、深い情熱”ロシアで育った魂のピアニスト=松田華音。ピアノ界の新しいビッグスター誕生は見逃せない!

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