夕方、亀嵩駅に立ち寄る。 たった一両の小さな気動車から、 1人の女学生がゆっくりと下車してきた。 この時間、都会ならば、多くの人が、 少しの時間も惜しがって列車から飛び降り、家路へと向かう。 一方、女学生が去ってしまった、暗い待ち合い室には、取り残されたような空気がくつろいでいた。