船通山夜明け

その昔、
スサノオノミコトが高天原から降臨したと伝えられるこの船通山は、
宍道湖へと続く斐伊川の源流の山である。

午前2時すぎに登山口を出発した私は、
休息も取らずに山頂を目指し、まだ暗い船通山山頂に到着する。
この頂きから見る風景は、
夜明けが近づくにつれ、刻一刻と目まぐるしく表情を変えていく。
やがて、ものすごい速度で駆ける霧状雲から太陽が顔を覗かせた。
その瞬間、鳥居を通して伸びる強烈な光に、心臓が飛び上がる。
強い風の中、繰り返すその明滅を、
天から送られて来るシグナルのように感じる私がいた。

 
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Photo&Essay:Shuji Enmando