鉈で割いたような岩の切れ目から、 白い飛沫となって清水が吹き出す。 昼なお暗いこの場所で、 聞こえてくるのは、この水の音だけ。 ここには、 古来から語り継がれた物語が詰まっている。 深い自然に包まれて、 人はいろんな想いを巡らせてきたにちがいない。 目に見えぬ人と自然の息づかいが、 森が深いというだけでは説明できない、 荘厳な空気を創り出している。