観光船のとなりで、ひとけのない漁船が停泊していた。 小さな操船室の旋回窓が、まるで一つ目小僧のように じっと前を見つめている。 時に冷たい雨に打たれ、大きな波を乗り越えながら、 船長の眼差しはこの丸い旋回窓を通して大海原に 注がれたのだろう。 今夕、またその大海原へ・・・・。