海に面した小さな集落を見下ろすような、 小高い丘の上で、この日が終わるのを見届けることにした。 日が尾根の向こうの海原に沈む頃、 この丘では、それまでどこかに潜んでいた闇が現れ、静かに私を包みはじめた。 その速度は、思いのほか早い。 うかうかしていると、その闇の中に取り残されてしまいそうだ。