毛利千代子のおはようパートナー
 「21世紀に残したいもの」についてお便りを募集しています。

◆今月は、『シドニーオリンピック』がテーマです。

 『いよいよ来週の9月15日がシドニーオリンピックの開会式ですね。オーストラリア最大の都市、シドニーは公園や港が美しく、豊かな自然に囲まれた街で、オペラハウスやハーバービレッジなどが有名ですね。今回のシドニーオリンピックはその豊かな自然環境を大切にしようと配慮されていることから「緑のオリンピック」とも呼ばれています。 どんなところが工夫されているかと言いますと、メイン会場となるシドニーオリンピック・パークは、もともと工場や産業廃棄物の処理場だった土地が利用されているんです。また、1万5300人の選手、役員が暮らす選手村の住宅の屋根には太陽電池が組み込まれ、ほとんどの電力がこの太陽電池でまかなわれています。ここで使われた水道水は再生処理されて、トイレの水や掃除などに使われることになっています。
 限られた資源の節約や再利用がよく考えられていますね。
 開会式、閉会式も行われ、11万人を収容できるというオリンピック・スタジアムも照明を最小限にする為に自然の光を取り入れる設計にしたり、スタジアムの屋根で受け止めた雨水は、競技場内の給水に利用するなど、環境に優しく、こちらもエネルギーの無駄使いを無くす為の工夫がいたるところになされています。
 また、このシドニー・オリンピックが終わった後は選手村の住宅は太陽エネルギーを利用した世界最大のコミュニティーとして一般に販売されることも決まっています。
 大きな規模のイベントなどではそれ自体が終わった後に施設をどう活かすか、を考えるのは大切なことですね。
 2008年オリンピックの開催都市に立候補している大阪。開催都市の決定は来年の7月。今後も自然環境へ配慮したオリンピックが当たり前になってくるでしょうね。

2000年9月4日 毛利千代子