東西南北 龍介がゆく

◆今月は「登山者のモラル」についてお話をしました。

山  『皆さんは「日本百名山」という本をご存知でしょうか?
 作家の深田久弥さんが著した山岳紀行集の名作です。その中で取り上げられた山々は登山者にとって憧れのようで、すべての山に登ることを目標にしている方がたくさんいらっしゃるそうです。
 ところが、その「日本百名山」で取り上げられた北海道の大雪山や鳥取の大山、鹿児島の宮之浦岳などの山に登山者が急増して、登山道の周辺や湿原が踏み荒され、深刻な自然破壊が問題になってきているそうです。今朝の朝刊各誌に載っているのですが、自然破壊が問題になっている山々に対し、環境庁は来年度予算に整備費としておよそ10億円を概算要求し、集中的に登山道の整備事業に乗り出すことにしたそうです。百名山のうち90は国立公園内にありますが、今回はそれ以外の場所にある山の整備も国の補助の対象にする考えだそうです。環境庁は「中高年の登山事故も増えているので安全確保の為の標識も設置するが、登山は自己責任が基本だ。登山道の整備などは山の雰囲気を壊さず、侵食を防ぐような構造にして必要最小限にしたい」と話しているそうです。
 私の知知り合いにも登山愛好家がおりまして、50才を超えてから、この「日本百名山」を制覇するんだとがんばっています。彼に限らず、皆、美しい山の景色を楽しむ為に登っているんですよね。そんな登山者の一部の心無い行為で、自然が破壊されてしまうということは、寂しい限りですね。
8月7日 乾龍介