ゴミ問題については、大人でもリアル感をあまり持っていない気がしますが、子供に教える環境問題が書かれている絵本を紹介します。
東京の市民グループ・ごみ環境ビジョン21というところが、
出版した小学生、中学生向けの絵本「ごみのへらしかた」についてです。
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表紙を開くと、
「自然は先祖から譲り受けたものではなく、子孫から借りているものだ」
というアメリカインディアンのナホバ族の言葉で始まっています。
人類の誕生から今日までのゴミの歴史、特に焼却炉から出るダオキシンについて大きく取り上げています。
とても大きな絵で、子供にも分かりやすい内容です。
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どのような狙いでこの絵本を作られたのか、文章を担当された
よしざきようこさんにお話をお聞きしました。
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「タイトルは『ごみのへらしかた』、そしてサブタイトルが『いのちのまちをまもる』、21世紀はここにもっていきたいという思いを込めて作りました。
私たちの会は1996年にドイツの環境保護団体のシュルツさんという方を呼んで、大きなフォーラムを行いました。
その時に、日本のゴミは町中にあふれて、焼却炉がたくさん立ち、埋め立て地などから環境問題を引き起こしている……というシュルツさんの話を聞きました。
また、ゴミは必ず減らせるということと市民団体がそのことに大きく関与していける、 ということでエールを送って頂いたのがきっかけで、「ごみ環境ビジョン21」を市民で立上げました。
1997年にはダイオキシンが日本で大きな問題となりました。
その対策として出てきたのは、最新技術を駆使して大きな炉を作ったり、新型の装置をつけたりして、なんでも燃やせてダイオキシンは出ない、というような技術でした。しかしその一方で、リサイクルしましょう、という動きも出てきました。
使った物は捨てないでリサイクルすれば大丈夫、という風になっています。
もちろんリサイクルは悪いことではありませんが、大量生産、大量流通、大量消費、というサイクルの中で、最後の「大量廃棄」が「大量リサイクル」に変わっているだけ、という状況ともいえます。
再使用しても、いずれはゴミになります。リサイクルは、家の中で処理するのではなく、ものを集めて運んで作り替えて…という流れになっています。
これでは全部の過程にエネルギーもかかってきますし、そのたびに環境を汚染してしまうことにもなります。
リサイクルが必ずしもすべて良いとは限りません。
資源循環だけではいけないと訴える必要があるのでは……ということで、大人の方には学習会を重ねていましたが、小さい頃から植え付けていかないといけないと思って子供向けに、この絵本を作りました。現在書店にも並んでいます。
21世紀に向けて何をするかということを、大人も子供も考えなければならないと思っています。
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「ごみのへらしかた…いのちのまちをつくる」
星の環会 定価1000円
問合わせ先 ごみ環境ビジョン21
042−328−6621
(月・水・金の午後のみ問い合わせ可)
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