2008年11月14日
■満員劇場御礼座という劇団があります。最近はどうも『満劇』と呼んでもらおうと考えているようです。もちろんあまり有名な劇団ではありません。艦長、実は個人的に以前から交流があるので、今回はちょっとご紹介しようと思います■満劇の歴史は1978年、といいますから今からなんと30年前ですね、京都の大学内のサークルとして始まりました。その頃のメンバーがまだ何人か残っています。その創立メンバーがプロの演劇集団を目指して営々と活動を続けてきた・・・わけではなく、全員が一般企業に就職したり、大学に残り研究者を目指したり、とにかく演劇から一度は離れました■そして数年、社会人生活にもまれるうち、「もう一回やってみいひん?仕事のやり繰りの要領は少しつかめたし、週末を中心に練習して公演日は代休取ったら何とか。それに会社ってすごくヘンテコな世界だってわかったし、これネタになるで・・・」と始めたのが、彼らの本当のスタートでした。幾人かのメンバーはそれぞれやむを得ぬ理由で去っていきましたが、反対に、職場の仲間や、ファンの中から新しいメンバーも生まれました ■1984年から、若干の中断期間をはさみながらも、ほぼ年1回のペースで公演を続けています。作風は一貫して「無思想会社派喜劇」。自分たちが日々を送る「会社」という組織や、人間関係のオカシサから生まれる笑いを追求してきました■しかし毎年次々と驚異の新人が出現し、現在劇団員は、広告業界で働く人たちを中心に20代から50代と年齢構成も幅広く、作風も徐々に変化を続けています。ただ、練習時間の確保は年々難しくなる一方で、最近は《オムニバスのコント集を小さなスペースで上演する》、という公演パターンに落ち着きつつありました■しかし!この12月、彼らは久々の長編コメディに挑戦するという英断を下したのです。その背景には、新しい作家の台頭があります。あべの金欠氏。本業はライター、ミュージシャン。絶妙の設定と人物造型の面白さで見せるコントを次々発表してきましたが、今回、いよいよ初の長編にチャレンジです■舞台はとある私立高校の職員室。世間知らずで勝気な校長、あくまで軽く嘘つきな教頭、そして個性バラバラな教員たちが巣食う職員室に、ある重大なウワサが流れて上を下への大騒ぎ。そこにモンスターペアレントやマスコミまでが闖入して繰り広げられる、一味変わった学校コメディです■役者陣は職業俳優ではありませんから、決して器用とは云えないかもしれませんが、日頃の社会人経験を生かした「満劇流」ともいえる独特のリアリズム演技で挑みます。なんていうんだろ、とにかく変な人がいっぱい出ますよ、ほんと■申し忘れましたが、会場はもちろんABCホールで、12月12日(金)から14日(日)までの全4公演■ファン層もサラリーマンが多く、その特性として金曜夜のチケットはもう残りわずかです。お昼にはファミリーもたくさんつめかけるので、狙い目は土曜の夜■世の小劇団とはちょっと違った、演劇ビギナーにもやさしいお芝居、
満劇 2008年歳末助け合い公演 『踊る職員室』・・・注目です!(艦長)
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- 2008年11月14日金曜日