2009年3月20日
■艦長ちょっとお疲れです。昨夜東京・下北沢に行くことになって、小劇場の聖地・スズナリでなぜか全編関西弁の芝居「お弔い」を鑑賞しました。わかぎゑふ女史率いるラックシステムの舞台なので当然なのですが■知ってはいたものの改めて驚いたたのはね、スズナリの隣のたしか前は小さな映画館だったスペースにまた新しい劇場が出来ていたこと。小さなシモキタの町に小劇場がこれで、えーと・・・7つ!?■でその小屋の杮落としシリーズを春風亭昇太さんがプロデュースされていて、昨夜の演目が山田雅人『かたり・江夏の21球』。なんだか懐かしい■『掛布選手の打った349本のホームランはその打席の全配球まですべて記憶しています』とかつて豪語していたタイガース&競馬オタクの山田くんですが、久しぶりに聞いてみたかったな、あの喋り。でもよう考えたらスズナリ、関西勢に占拠されてるやん!
■それにしてもマスクしてる人がホント多いですね。インフルエンザ、花粉症に、黄砂・・・「マスク」は冬の季語だそうですが、どちらかといえば春に移籍させたほうがよいかも■そうそう、突然ですが、先日、ドラマ「銭ゲバ」を最終回に初めて観ることができました。賛否の声が交錯する話題の作品だったのでもっと早く観たかったのですが・・・あれ土9だったんですよね■実はね、最近、土日あまり休めないんですよね。ABCホールは今年いっぱい週末はほぼ予約で埋まってしまっているのです。ありがたいことなんですが、ほんと■原作のマンガ「銭ゲバ」は雑誌連載をリアルタイムで目にしていたのですが、それまで"ほのぼのとした笑いとペーソス"、みたいな作風だったジョージ秋山が、「銭ゲバ」とか「アシュラ」とか、突然陰惨な作品を続けて発表して驚いたのを覚えています。特に「アシュラ」の第1回はショッキングで、たしかいくつかの地域で掲載誌の回収騒ぎが起き、社会問題になりました。「銭ゲバ」も「アシュラ」も連載開始が1970年。騒々しい時代でした■さて 、なぜマスクから突然「銭ゲバ」を思い出したかというと、初期のジョージ秋山の代表作(デビュー作?)で僕が結構ニヤニヤホロリと楽しんでいたのが、「パットマンX」という、覆面ずっこけヒーローを主人公にしたギャグマンガだったからなんです。平凡な小学生がバットマン似のマスクをつけてスクーターに乗り、正義のために戦うのだけれどいつも・・・という設定■シュールで破壊的なギャグの赤塚不二夫に対してほのぼのしたユーモアを描き、やがて少年マンガのあり方に疑問を抱きアメリカに渡って1コマ漫画で名を成した師・森田拳次ゆずりの、ペーソス系のギャグマンガでした。ジョージ秋山、なんでこんなに怖くなったん??当時僕は疑問だったのです。同じく悲しきヒーローものの「デロリンマン」あたりからその兆候はあったわけですが・・・■さてさて。快傑ゾロ、ローン・レンジャー、バットマン、月光仮面、七色仮面、仮面ライダー・・・古今東西、マスクは謎のヒーローのマストアイテムでした。「タイガーマスク」は、マンガのヒーローが後に実際の覆面レスラーとして実体化し、現実と虚構の間を行き来するプロレスの世界ならではの面白い現象を生み出しました■野球マンガの世界にはかつて「黒覆面の巨人軍エース」というキャラも登場しました。星飛雄馬登場の数年前、貝塚ひろしの「ミラクルA」という作品です(最初は「九番打者」という題名で、僕はこちらの題の方が好きでした)。もともと右投手だった主人公が秘球、快球(この呼び方、魔球より素敵)の投げ過ぎで体を壊して失踪、左投手として再デビューするという展開は、左と右は逆ですが「巨人の星」と同じ。でも彼は同一人物であることを隠すために改名をした上にマスク姿で登場したのですね。なぜ隠す必要があるんだったかは失念しましたが・・・■このように覆面は正体を隠すことに主眼がおかれていますが、仮面はさらに、かぶることによって特別な力が付与されるという呪術性を有しています■世界中に、民俗芸能や宗教儀式で使われる独特の仮面が存在します。普通の人が、仮面をかぶった瞬間に神の使い、あるいは神や悪魔そのものになったり、魔除けのパワーが生まれたり■「人はなぜ仮面をかぶるのか?」、「遠く離れた地域の仮面のデザインになぜ不思議な共通性がみられるのか?」みたいなことに興味を抱いて、なーんか特番の企画が出来ないかしら?なんて思って数年前こんな本(写真)を買ったわけですが、まだ実現していません。だいぶ前に、「笑いとメガネの関係」について考察する番組を作って賞をもらったので、二匹目のドジョウをというわけなんですが(笑)■マスクといえば、ジェイソンとか'ともだち'とか、最近は底知れぬ恐ろしさを秘めた悪玉のイメージばかりが強いなあ。何ですかね、ヒーローは平凡で等身大、の時代なんですかね(艦長)
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- 2009年03月20日金曜日