2009年6月12日
■さっき電車の中で「諸子百家」という本(新書)を読み始めたんですね。ほんの20ページくらい、序章しか読んでないんですが、びっくりしたー■1990年代に中国で新しい古文書が(変な言い方)大量に発掘されて、諸子百家の評価とか解釈とか、いまどんどん変わりつつあるんですって。へー。紀元前数世紀っていう時代の人たちですから、「子曰く」っていうアレですから、今更そんなことが起こっていたなんて露知らずでした■諸子百家が活躍したのは春秋戦国時代。「焚書坑儒」で彼らの業績を無きものにしようとした秦の始皇帝が中国を統一したのが紀元前221年のことで、つまりその前の時代なわけです。ちなみに日本はその頃弥生式土器が真っ盛り。その後、漢代(前漢・後漢)があってその間に遠くベツレヘムでキリストが生まれてB.C.がA.D.になって、3世紀の前半に中国はまた分裂して三国の時代。レッド・クリフの頃ですね。その時代のことを記した歴史書が「三国志」で、その中の「魏志」には魏の武将・曹操のことが書いてあったりするわけですが、同じ書物の一部「魏志倭人伝」にあの邪馬台国についての記述が登場するわけです。この頃の日本人(というか日本列島の住人)はまだせっせと弥生式土器を作っていました。もちろん文字すらない時代です■・・・えっとまあ、このあたりの記述は僕と話すとみんなが困る、本筋と関係ない「学校で習ってまだ覚えてるミニ知識披露コーナー」なんですが、でね、「面白いー!」と今朝個人的に気に入った発見があるんです。■諸子百家の中でも一番有名な孔子の「論語」。あれの有名な書き出し、
子曰、學而時習之、不亦説乎。有朋自遠方來、不亦樂乎。人不知而不慍、不亦君子乎。
し、のたまはく、まなびてときにこれをならふ、また、よろこばしからずや。ともあり、えんぽうよりきたる、また、たのしからずや。ひと、しらずしてうらみず、また、くんしならずや。
■この言い方って、アレじゃないですか、『じゃないですか話法』。
最近特に若者が多用してますよね。「アタシってほら、うどんよりソバが好きじゃないですかぁ」って初対面みたいな人に言われて「知るかいな」って心の中で突っ込むしかない、みたいなあれ。
『勉強して後で復習するって、すごく楽しいことじゃないですか』
『友達が遠くから会いに来てくれるって、すごく嬉しいことじゃないですか』
『他人が自分の頑張りを知ってくれないからといって恨みに思わない、それって君子じゃないですか』
・・・ね、「じゃないですか話法」で訳すとしっくりくるじゃないですか。学校ではこういうのを「反語表現」と習います。断定を強めるために反対の内容を疑問の形で述べる手口ですね。丁寧に現代語訳すると「喜ばしくないであろうか、いや喜ばしい」なんてやったりします■強引で無神経な「じゃないですか話法」はどうかと思うこともありますが、でもさすがにいいこと云うなあ、孔子(艦長)
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- 2009年06月12日金曜日