2010年3月24日
■僕が高校生だった頃、小西甚一という先生の『古文研究法』という参考書が受験生に圧倒的人気を誇っていました。今でも書架の片隅に置いてるんですけど、何より読み物としても楽しめ、古文が好きになりました。なんと、初版が出てから55年経った現在でも、全く同じ装丁で売られ続けています。まあ、扱う素材が数百年前までの文章だから、当たり前っちゃあ当たり前だけど。歴史の教科書はどんどん現代の部分を追加していかなきゃいけないし、自然科学の本は新しい発見や理論が登場するし、『古文』つうのはオンリーな教科かもですね■で、最近ある雑誌コラムに出ていた同じ著者の『古文の読解』という本を購入しました。こちらはより教養書に近い分厚い本です。こういう志向は僕だけじゃなく、最近は山川出版の日本史の教科書が一般の大人によく売れていてるそうだし(僕もだいぶ前に買い直した)、まあ悪い傾向ではないと思います。『もっかいちゃんと勉強したい』、という。時代が後ろ向きなのかもしれませんけど■でもなつかしい本と云えばなんといっても『いやいやえん』ですね■中川梨枝子さんという方が書かれた童話。びっくりするんだけど、この本は『古文研究法』より3年古く出版され、しかも今も絶賛発売中です。当時の自分とほぼ同年代の保育園児の生活が、ごく簡単な線による挿絵と共に描かれているんですが、そのお話がすごくシュールで、薄気味悪くて、さすがにディテイルは憶えてないけど忘れられません。はっきりいって主人公に好感持てないんですよ。でも不思議に心に残る■『気持ち悪い』って案外大事なことなんですかね、子供にとっては。子供って残酷だし、利己的だし、好奇心に走ると周りを見ずに暴走するし■正直に云うと、僕は自分の子以外の子供をかわいいと思ったことがありません。会社で時々あるんですよね、寿退社した女の子が何年かぶりに子供を連れて遊びにくる、とかいう状況。僕はその場からスっと逃げ出します。当然みんな口々に『かわいー!』の連呼なんだけど、僕、どうしても褒められないんですよ、他人の子■まあ子供に限らず、今観た芝居への賛辞を当事者に云うのも苦手だな。作品と作家・演出家、子供と親、これって似た関係ですよねー。要するにシャイで損な性分なんだ、うん■ふう、何の話でしたっけ?(艦長)
『決戦!!ひなた荘』絶賛発売中です!麒麟・川島明さんもまもなく始動!!
ええ声で芝居しまっせ!
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- 2010年03月24日水曜日