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2011年2月14日

千穐楽

■伊藤えん魔プロデュース『サイボーグ侍』、無事千穐楽の舞台を終えました。只今バラシの真っ最中■雨、雪、みぞれ、と天から冷たいものが手を替え品を替え降り注ぐ荒天の下、満員のお客様にお越しいただきました。皆さんとても満足されたんじゃないでしょうか。いやーよかった、よかった■実を申しますとかねがね私、小劇場演劇における"時代物"というジャンルに基本的には"?"を抱いていた者なのです。衣装も大変だし、本物のカツラなんて予算的にとんでもないですしねー。そういうところのチャチさがどうしても目立ってしまって。いやそんな見た目のことよりも、本当云うと構造的なチャチさですね。若手の劇団の場合、どこかで見た漫画やアニメやRPGの世界観をそのままいただいてきたような芝居が多い(ような気がするのです。偏見も少々あるかも)■しかし、さすがえん魔さんの芝居は、そういう脆さがなく、自分で資料を読み込み、自分で歴史上の人物のキャラクターを肉付けして作った作品。重厚で、アホらしくて、実にかっこいい群像劇になっています。ベテラン職人の技ですね■どうやら相変わらず経済のマイナス成長は続いていて、GDPも遂に中国に抜かれたとかで、ニッポンはちょっとずつ貧乏になっているらしい。そんな中でもデジタルメディアは発達し続けてみんなそちらにお金が要って・・・要するに舞台芸術というアナログなエンターテインメントは、こと観客動員にかけてはやや右肩下がりな状況が続いているわけです■はいはいわかった。でも一所懸命面白いもの作っていこうよ!そうすりゃみんな観に来るぜい!!・・・『サイボーグ侍』終幕近く、合戦の硝煙の中で美津乃あわさん演じる段蔵が発する言葉、『風・・・林・・・火・・・山』。自らを犠牲にして状況を変えようとするこの叫びの中に、未来を切り拓く演劇人のパワーを感じました(艦長)

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