2012年11月 7日
■一体誰が元締めなのか?果たして2回目はあるのか?謎は深まるばかりですが、いよいよ『どんかぶり演劇祭』、スタートです!昨日のブログに丁寧なハシゴ観劇ガイドがありますので、是非参考になさってください。大阪ではライオンキングもやってますけど、小さな芝居もいいもんです。僕は・・・3つ、かな?■ABCホールではsundayさんの仕込みが先ほどから始まっております。初日は金曜!
sunday 『グルリル』 作/演出・ウォーリー木下
11月 9日(金) 14:00 19:00
10日(土) 13:00 18:00
11日(日) 16:00
さて、さすが芸術の秋と云うべきか、ここ半月ほどの間にすごいものをいくつか観たので勝手にご紹介します(関西のカンパニーの舞台作品は除きますね)。
■青森中央高校演劇部 『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』
■ポツドール 『夢の城』(KYOTO EXPERIMENT参加作品。木屋町の元・立誠小学校講堂にて)
■ベン・アフレック監督・主演 『アルゴ』(MOVIX京都にて)
■想田和弘監督 『演劇1』、『演劇2』(十三・第七藝術劇場にて)
『もしイタ』は、平成24年度全国高等学校総合文化祭演劇部門で最優秀賞を受賞した作品で、9月にNHK-BSプレミアムで放送され、家で録画していたのをやっと鑑賞したものです。高校演劇というと、あの独特の(?)「演劇部口調」が鼻について敬遠する、なんていう人が多いような気がしますが、優秀なところはやはりすごいです■弱小野球部のマネージャーがコーチとして呼んできたのが何とイタコのオバサン。彼女が、悲運の名投手・沢村栄治の魂を呼び寄せる、とうのがお話の発端。沢村が憑依することによって剛速球を手にした転校生のエースが大活躍し、チームの甲子園出場が目前に!しかし・・・という、題名からわかるとおり、パロディたっぷりの学園スポーツコメディです。しかし後半、次第に物語の背景に戦争と震災が浮かび上がります。理不尽な死への憤りと生き残った者の苦悩・・・。そして最後に、『生かされた者が真っ当に生きることによってのみ、生者も死者も共に救済されうるのだ』、という希望が提示されるのです■決してお涙頂戴でも説教臭くもなく、それでいて笑いの果てに滂沱の涙を誘う傑作でした。さらにすごいのは、衣装は全員稽古着風のジャージ姿、大道具はなし、照明は地明かりのみ、音楽や効果音は、その場面に出ていない出演者たちが歌ったりハミングしたり叫んだりして出す、という演出です。これは実は、青森中央高校演劇部員が、東日本大震災の被災地を始めとする全国各地を訪問して、どこでもすぐにこの劇を演じられるための工夫でもあるのです。あっぱれ!■この『もしイタ』、作者は演劇部顧問の先生なのですが、ネットを引いてみてプロの劇作家でもあることを知りました。それもただの作家ではない。劇団昴や劇団民藝など名だたる劇団に戯曲を提供されているだけでなく、ラジオドラマの脚本家として、文化庁芸術祭大賞、放送批評懇談会ギャラクシー大賞最優秀賞、民間放送連盟賞最優秀賞ほか、べらぼうな賞獲り男であることが判明しました。高校演劇日本一も今年で3回目です。畑澤聖悟さん。すごい先生が青森にいたもんです■長くなりました。あとの作品はまた後日(艦長)
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- 2012年11月07日水曜日