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2014年9月26日

N-Trance Fish、明日から!

■N-Trance Fishの皆さん、昨日小屋入りされ、明日初日です■今回の作品は『KISOU本能』。帰巣、じゃないところがミソです。ずっと昔学校で習ったのですが、本能とは誰から教わることも学習することもなく、生物が生まれながらにして持っている行動様式、みたいなもの(たしか)。日常会話でよく、「あのオッサン、生理的に受け付けへん。本能的に避けてまうわ~!」なんて使ったりしますね。自分が言われているようなうすら寒さが漂ってきましたが、これは厳密には誤用。そういうのは生理でも本能でもなく、話し手である女性の過去の何らかの経験や学習に基づいた感覚であるはずです(い、いったい俺が何をしたっていうんだ!?)■「本能」っていうのは、例えば赤ちゃんが誰から教わることもなくお母さんのおっぱいを吸う、とか、それ以前に、母体から産まれ出た直後から、それまでしたこともなかった肺呼吸を始める、とかそういうもの。これらの「本能」が結集することによって、全ての生命体には、自分自身のよりよき生、自分の子孫の繁栄を目指すシステムが出来上がっています。しかし世界中で唯一、このシステムが時折エラーを起こす種、つまり、生きることにネガティブになる種がある。人間ですね■ここにそんな人間が一人いるとします。しかし、彼の肉体を構成する器官のひとつひとつ、あるいは細胞の一個一個はそんなことは夢にも知らない。いつでも必死に生きようとしているはず。生物学では、細胞内で生命現象の根幹をつかさどるミトコンドリアや葉緑体という器官のルーツを探ると、太古独立した生命だった細菌が、細胞内に侵入・共生したものにたどり着く、という説があるそうです。共生の結果地上の生物が酸素呼吸や光合成を獲得し、繁栄を遂げた、と。この考えを敷衍すれば、一人の人間という個体は、多くの器官や、バクテリアや、ひょっとすると寄生虫までも含めた「者」たちの共生体といえるかもしれない■『KISOU本能』は、そんな世界観の物語。壊れかけた人間と、彼を形作る者たちの葛藤のオムニバスです。肝臓のことを「沈黙の臓器」と云いますが、肝臓に限らず全ての器官は本来寡黙です。言葉を持たない多くの「者」たちが、己の体を使って持ち主に対して叫びかけます。これは、ダンスという表現に実にぴったりしたテーマではないですか。なるほどー、よく考えられている!ところがN-Trance Fishはそれでは終わらない。登場人物(?)の中に、めっちゃお喋りなキャラが2名配されていたりするのです。しかもそれを、バリバリの関西弁で役者が演じます。そんな笑える趣向も魅力のひとつ■それぞれの作品には、「器掃」、「鬼相」、「気双」、「寄騒」・・・様々な書き方で「KISOU」というタイトルが冠されています。この字の意味を解き明かしていくのも、結構楽しいし・・・ダンスのこととか全く分からない上にこんなにも理屈っぽいオッサンも惹きつけてやまないN-Trance Fish『KISOU本能』、土曜から月曜までの4ステです(艦長)

 N-Trance Fish 17th Exhibition 『KISOU本能』

KISOU.jpg9月27日(土) 14:00  18:00

   28日(日)  15:00

   29日(月)  15:00☆

☆千秋楽スペシャルゲストあり

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