スタッフブログ
Back Number
2017年1月

ZTON、明日から

■劇団ZTON御一行、昨日小屋入りされ『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』明日初日です■まずなにせタイトルが難しいですね。ほとんどの方が最後の一文字読めないんじゃないかと思う。いやそんなことはないか、司馬懿は「しばい」と読みますが当然演劇のことではなく古代中国の人名で、『三国志』の登場人物の一人。司馬懿仲達と字(あざな)をつければアっと気付かれる方もおられるかもしれませんが、三顧の礼で有名な蜀の軍師・諸葛亮孔明のライバルで、晩年、三国を統一する西晋の礎を築いた武将・政治家です■最近はどうやらアレです、スマホの人気ゲーム「モンスト」っていうやつに、『三国志』のキャラクターがいっぱい登場していて、若い人はそちらから『三国志』に接するらしい。僕は高校時代?に読んだ吉川英治の『三国志』に血沸き肉踊らせたクチ。また70年代には横山光輝が漫画化し、「鉄人28号」や「魔法使いサリー」と並んで彼の代表作となるわけです。つまり今から千八百年ほど前、日本は弥生式土器を使い女王・卑弥呼が邪馬台国という謎の国を治めていた時に海の向こうで起きていた、諸国の興亡と英雄たちの闘いの記録が、物語として小説から電子ゲーム、そして小劇場の舞台として、今も人々を興奮させ続けるというわけ。さすが中国四千年の歴史は懐が深い■余計な前置きが長くなりましたが、つまり今回のZTONさんのお芝居は三国志がベースで、数年前から連作されてきたシリーズの掉尾を飾る作品となります。観劇前の予備知識として、サラッと三国志の設定、曹操、関羽、張飛とか何人かの登場人物の名前をインプットしておいたほうがいいかもしれません。然る後に、『関西最速』といわれる華麗な殺陣や、天下を治める者の宿命をファンタジックに具象化した『龍』という存在、そして勇猛な武将の役に敢えてキャスティングされた可憐な女性アイドル、などなど、ZTON流エンタメギミックの世界を存分に楽しんでください■・・・といいながら実は私、いわゆる「アクションエンタメ」、あるいは、「歴史ファンタジー」、なお芝居が正直ちょっと苦手です。嫌い、ではないのです。お恥ずかしい話ですが、激しい立ち回りや異なる時空を交錯させる作劇の細部に気を取られるうちに、単純にスジを見失ってしまうのです。そんなこともあり、先日ラジオの取材を兼ねて京都の稽古場にお邪魔した際も最初はやや不安でした。なんか激しいアクションの中を演出家の怒号が飛び交う殺伐とした雰囲気だったらどうしようか、なんて■しかし予想は大きく外れました。京都の劇団だから、という訳ではないのでしょうが、空気が実にはんなり柔らかい。劇団代表で作・演出を担当されている河瀬仁誌さんは、役者の自主性を重んじ、演技における彼ら自身の工夫を極力活かすタイプのようです。『脚本を書いたのは自分だけれど、読み込んでいるのはむしろ俳優の方だから』という言葉がとても印象に残りました。なかなか云えないセリフです。そんなわけで、多くの登場人物の人間関係を肉付けしていく芝居の作り方はとても丁寧で、同時にやはり殺陣はめっちゃ速く鋭い。『目的ではなく、手段としての殺陣』、が目標だと数年前に河瀬さんは語っておられましたが、なるほどそれはしっかり実現されています■『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』、タイトルは難しいですが舞台は痛快です。是非(艦長)


zton1701-02.jpg1月27日(金)18:30
    28日(土)14:00 18:00★
    29日(日)12:00 16:00

★・・・アフターイベント(写真撮影会)あり
※上演時間:2時間30分(休憩込)予定
※当日券は各回開演45分前より発売

コント師来る

■こう寒いとブログの更新も滞ってしまうようで申し訳ありません。いやはや。冬場はお芝居が少なくて、当ホールも先週末は韓流アーティストさんのライブだったのですが、不勉強でここに記せるような知識も情報もなく・・・ かもめんたるJPG.JPG■そんな中、先週、こんな方々がABC、およびABCホールに遊びに、じゃないですね、お仕事で来てくださいました。サンミュージック所属のお笑いコンビ・かもめんたるのご両人です。いかにもコント職人的な静かでディープな佇まい。かもめんたるは、ご存知の通り2013年の『キングオブコント』で見事優勝、その時の最終2ndステージで獲得した982点という点は、その後KOCの審査方法が変わったこともあり、歴代最高得点として記録に残るはずです。で、お二人がお越しになる前夜、私、その時の『白い靴下』というコントを、同録ディスクで見直してみたのです・・・■サイトウという人物が勤める新宿のオフィスを、男(岩崎う大・写真左)が訪ねてくる。彼はサイトウから命令され、千葉から1時間かけて白い靴下を届けに来たらしい。「サイトウはもう帰った。第一そんなものコンビニでもどこでも買えるのに」と、サイトウの同僚(槙尾ユウスケ・同右)が疑問を呈すると、男は、「自分はサイトウさんの家来なので」という。次第にこの男とサイトウの異常な関係が顕わになってくる。そして最後、男がその手に携えた小さな紙袋から取り出したモノは・・・!?■いやーなんというか、ネタ、というより「作品」ですね。立派な不条理劇だと思いました。さすが二人とも演劇の聖地・早稲田大学卒業の知性派です。まそれはともかく、基本的には岩崎さんが異常な人物を演じ、槙尾さんが困惑したり迷惑したりするのですが、時にその関係性が逆転することもあり、同じ構図でボケて突っ込んでの反復ではなく非常にダイナミックで深みのある、そしてもちろんめっちゃ面白いコントです■この日は、ABCラジオ『武田和歌子のぴたっと。』に生出演、そして『橋詰優子の劇場に行こう!』で不肖私のインタビューも録音させていただきました。その模様は今週29日(日)の夜放送です■そして肝心のライブ『ノーアラームの眠り』は2月12日(日)18:30開演!場所はもちろんABCホール。各プレイガイドでチケット絶賛発売中です(艦長)

【ZTON折り込み情報】

2017年の1月はトークイベントや落語会、韓流アイドルのファンイベント、TVの収録や補修などというスケジュールでスタートしましたので、演劇公演としては来週が2017年初です。


【関西最速の殺陣】を誇る劇団ZTON「覇道ナクシテ、泰平ヲミル」
1月27日〜29日 全5回公演です。
舞台は「三国志が出来る前」のお話。
先日艦長が稽古場見学に伺いまして、明日22日(日)のABCラジオ「橋詰優子の劇場に行こう!」でもご紹介させていただきますので是非聴いてください!

毎週日曜日21:05〜 ABCラジオ「橋詰優子の劇場に行こう!」

さて、劇団ZTONチラシ折り込み情報が出ました。

1月25日(水)16:00〜1000部
※1種類につき1名要員
※後ばさみはございませんのでご参加希望の方は上記日時に必ずお越し下さい。

よろしくお願いします!(乗組員N)

2017年もABCホールをどうぞよろしくお願いします!

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

昨日(5日)より稼働開始しましたABCホールの新年は恒例の「朝日放送新年祝詞会」からの幕開けとなりました。
演劇公演としてはスロースタートな1月ですが2017年も盛りだくさんの演劇公演、お笑いイベント、試写会や落語会などで皆様のご来場をお待ち致しております!

「劇場」という「非日常な空間」を味わっていただく「贅沢」をお一人でも多くの方に楽しんでいただける1年になりますように。(乗組員N)
年賀状表.jpg


1
各ページに記載している内容は、掲載時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。
バックナンバー
前の月 2017年01月 次の月
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31