株式会社 TTNコーポレーション
【第1話】2013年12月9日(月)24:24〜
日々勉強や
- TTNコーポレーション
- 畳づくりの工場
- 西日本畳製造部総責任者
石邨敬視さん - 大村豊さん
兵庫県伊丹市に本社を置く『TTNコーポレーション』は、畳やふすまなどを製造販売する会社です。家庭向けの畳はもちろん、多くの有名施設の畳も扱うコチラではいち早く機械化を進め、効率的な生産体制を整えてきました。
しかし、それでも絶対必要なのは「畳づくり職人の技」。
町の畳店として創業したのが昭和9年。以来受け継がれてきた職人の技があるからこそ機械化に成功したのだと、工場長の石邨敬視さんは言います。
高品質な畳を効率的に量産するのには伝統的な手縫いの技と緻密な機械の作業、両方をバランスよく取り入れることが不可欠なのです。
そんな石邨さんがお手本にしているのが、この道50年の職人、大村豊さん。
大村さんは、新しい機械が入るとすかさず見に来るといいます。機械に使われず機械をつかいこなすためにどうしたらよいか、常に考えているのです。
その大村さんがよく使う言葉が「日々勉強や」。70歳をすぎた熟練の職人の仕事に対する姿勢に、石邨さんは「本当に頭が上がりません」。
この会社が畳業界のトップランナーとして、走り続けられる理由は、これを支えたプロフェッショナルたちがいるからなのでしょう。
【第2話】2013年12月10日(火)24:24〜
絶対に失われたマーケットを取り戻す
日本人の畳離れは業界にとってとても深刻な問題です。
畳店がどんどん廃業に追い込まれる中、「畳文化を守りたい」と闘い続けているのが、四代目 辻野福三郎社長です。
その、辻野社長には大きな志がありました。
「絶対に失われたマーケットを取り戻す」。
畳は日本の伝統文化。必ずどこかにニーズがあるはず!
そこで当時工場長だった辻野社長が考えだしたのが「工場の24時間稼働」でした。
業界の常識を打ち破る、斬新な提案。畳の需要が減る中で、無謀にも思える挑戦ですが辻野社長にはある戦略がありました。
目をつけたのは「閉店後の飲食店」。
営業時間が長くなり、夜中にしか畳が張替えられない飲食店には24時間稼働が不可欠だったのです。
ヒントは、妻の父親が働いていた印刷会社。職人の世界ではまったく考えられなかった24時間稼働も、印刷会社では普通だったのです。
狙いは大当たり!畳の仕事はまだまだあるんだ、と改めて感じたといいます。
他社に先駆けて進化を遂げ、新たなニーズも掘り起こしたこの会社には、それを支えたプロフェッショナルがいました。
- 四代目 辻野福三郎 代表取締役社長
- 夜中の畳の運び出し
- 24時間稼働する工場
【第3話】2013年12月11日(水)24:24〜
我々は製造業ではなくサービス業だ
- 西日本統括本部長 中池宏行さん
- 辻野社長と中池さん
- 「三条たたみ」のチラシ
- 「三条たたみ」のショールーム
機械化による効率的な24時間生産体制で畳業界をけん引するこの会社。
さらなる躍進を目指して10年前に立ち上げたのが、一般個人向けの畳ブランド『三条たたみ』でした。
商品の認知度を高め、一般のお客さんが畳を買いやすい環境をつくる為のブランド化。
そこに必要なのは意識改革でした。
プロジェクトの中心人物だった、中池宏行さんはある日、社長に進言します。
「我々は製造業ではなくサービス業だ」。
この会社にはなかった発想。いいものをつくるだけではお客さんは来ない。
もっとアピールをすべきだ、と主張したのです。
まず始めたのが、畳の営業。
新聞の折り込みチラシで売り込み、さらには『アララ補償』という購入後の1年間の無料補償をつける、などといった充実したサービスも始めました。
さらに、見て触れることで畳を知ってもらうため、伊丹市の大型商業施設の中に「三条たたみ」のショールームをオープンしたのです!
それはまさに時代のニーズに合わせた「畳店」の復活。
畳のブランド、という新たなビジネスモデルの成功の陰にはそれを支えたプロフェッショナルがいました。
【第4話】2013年12月12日(木)24:24〜
変わらないものは 世の中から消えてしまう
畳業界の常識にはなかったやり方で躍進を遂げてきた『TTNコーポレーション』。
日本人の畳の需要が減ってきたこともあり、常に新たな事に挑んでいます。
そこにあるのは「変わらないものは 世の中から消えてしまう」という辻野社長の想い。それが、固定観念にとらわれない、画期的な商品開発への挑戦です。
例えば、お風呂の中でも使える畳は、新しい発想から生まれた商品の一つ。
さらに、海外にも目を向け、積極的に展開しています。国際営業部の早川豊史さんは想像以上に畳に興味を持ってもらえる事に、需要があることを肌で感じています。
たとえば、座布団タイプの畳はパリで人気の商品。海外のデザイナーや建築家もその価値の高さに注目、コラボ商品などが実現しています。
辻野社長は言います。
「これからも畳文化を守っていきたい。
畳の将来を背負っているという責任感を持って取り組んでいきます。」常識を打ち破り、業界をリードしてきた『TTNコーポレーション』。
それを支えるプロフェッショナルたちの挑戦は続きます。
- お風呂で使われている畳
- 畳の座布団
- アメリカのメーカー
「チルウィッチ」とのコラボ商品 - 国際営業部 早川豊史さん