身の回りにあるたくさんの道具は、時代とともにどんどん進化している。20年前は一家に1台、家に置いていた“電話”が、今では1人に1台持ち歩ける“携帯電話”に進化した。道具が変われば、人々の生活も変わる。今回は、道具学会会長の山口昌伴先生をカシコブレーンに迎えて、道具で変わった日本の生活や昔の道具の魅力を取り上げてみる。
日本の畳は、稲作が盛んになり、処分に困った産業廃棄物の藁を、再利用してできたものなのだとか。「稲作の藁の畳の上で、お米を食べる。風景が一貫していますよね」と山口先生。畳はエコの精神で生まれたものとわかったところで、次はご飯を食べる道具のひとつ、“食卓”から日本の歴史を振り返ってみる。江戸時代の日本人は1人1人に与えられた箱膳を使っていた。天板を外せば、中に1人分の食器が収納できる。その箱膳が、丸い卓袱台に劇的に変わったのは、ある時代の出来事が理由だとか。先生は、知られざる卓袱台誕生のきっかけを話す。また、日本人のマイ箸、マイお茶碗の習慣や卓袱台からダイニングテーブルになってから変化した日本人の床への意識なども解説する。 続いて、今はあまり見かけなくなった昔の道具を紹介。24時間以上暖かさがキープできる「白金カイロ」、炊き立てご飯がより美味しくいただける「おひつ」など、懐かしい道具が登場。実際に使ってみた徳井、福田、たむけんら凡人メンバーは、昔の道具に夢中になる。
また、「クイズ!プロの道具」にも挑戦。ふだんは目にすることがない、ある職業のプロが使う2つの道具に、筒井、江川のカシコチームも頭を悩ませる。
「ハテナの自由研究」は、たむけんが担当。初企画「永遠のライバトル キタVSミナミ」をお届けする。大阪のキタが大好きな女性4人とミナミが大好きな女性4人が、お互いの街自慢で真っ向勝負!キタにもミナミにも執着がない男性10人の審査で、両者のライバル関係にシロクロつける。
一級建築士。建築設計監理の仕事を経て、GKインダストリアルデザイン研究所に入社、住居学・生活学から道具研究の道へ入る。現在、道具学会会長、日本生活学会編集担当理事、日本産業技術史学会理事などを務める。主な著書は『台所空間学(摘録版)』『世界一周「台所」の旅』など。