世界中から観光客が訪れる美しい古都・京都。だが、京都は多くのミステリースポットが存在する魔界都市でもある。たとえば、新京極の隣にある「寺町通」は、かつて「京極通」という名前だった。その「京極通」は人間界と魔界の境界と考えられていたという。そんな京都の地名に秘められた驚くべき意味を鋭く読み説くのが名古屋外国語大学教授の蔵田敏明先生だ。今回は、「京都『怖~い地名』サスペンス」と題し、蔵田先生が京都の地名に隠された恐ろしい意味をランキング形式で紹介する。
1200年の歴史を持つ京都。平安時代には魑魅魍魎が闊歩したと言われているが、蔵田先生によれば、「京都の人々はいまでも霊の存在を意識している」という。そんな京都の“怖い地名”にランクインしたのは「西院」。阪急京都線にある駅だが、すぐ近くには京福電鉄の「西院」駅もある。まったく同じ字でありながら、阪急は「さいいん」、京福は「さい」と呼んでいる。実は、「さい」と読むのが本来の読み方だという。この「さい」に隠された不気味な意味とは・・・。
また、琵琶湖疏水の入り口になっている「蹴上(けあげ)」。この地名は非常に有名な歴史上の人物が起こした惨殺事件に由来していた。さらに、血染めの刀を洗った池が現在も民家の中に残っており、「御陵血洗町(みさらぎちあらいちょう)」という地名が陰惨な出来事を物語っているという。これには京都出身のブラマヨも「知らなかった」と驚くが、蔵田先生は、「怖いものの存在を忌み嫌うのではなく、語ることで鎮魂している」と解説する。
第2位は、下京区のとある町。ロマンチックで可愛らしい名前なのだが、これには京都の文化や町を踏みにじった豊臣秀吉が関わっていた。恐れを知らぬ秀吉の横暴とは?それだけでなく、思いのままに多くの通りを作り、「京極通」を「寺町通」という名に変えたのも秀吉。さらに、秀吉が建立した方広寺の前の通りを勝手に「五条通」に変えてしまった。実は、現在の「松原通」がもともとの「五条通」だったのだ。やりたい放題をした秀吉は京都人に嫌われたようで、秀吉が贅を尽くして御所の近くに建てた邸宅「聚楽第」は今、跡形も無い。
第1位は、魔界都市京都で最も強大な怨霊となった人物にゆかりのある地名が登場!その人物とは?そして、その地名は!?
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「サギ写を見抜け!」第7回。今回は、ソラシド本坊とファミリーレストラン原田を助っ人にサギ写ギャルと闘う。
名古屋外国語大学教授。文学部日本語学科で教鞭をとる。高校時代から、修学旅行で皆が東京へ行っている時に自分だけ休んで京都へ行ったほど、京都に惹かれていた。著書に.『時代別京都を歩く』『京都・異界を訪ねて』『平家物語の京都を歩く』『徒然草の京都を歩く』など、京都に関するもの多数。
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