日本を代表するSF作家の星新一。“ショートショート”と呼ばれる小説の形式を得意とし、1000話を超える作品を残した。その作品数と質の高さから“ショートショートの神様”とも呼ばれ、恩田陸や東野圭吾ら星をリスペクトする人気作家は多い。そんな星の作品の魅力のひとつは、未来を見る“先見の明”。1960年から1970年代に発表した作品には、現代では当たり前になっているインターネット社会やクローン技術、臓器移植などが登場している。昨今、話題の電子書籍を予見するような作品も。今回のカシコブレーンは、星新一の影響を大きく受け、生前の彼をよく知る小説家、新井素子先生。高校在学中に星に見出され、17歳で作家デビューした素子先生が星新一ワールドを紹介する。
「星先生は大恩人。SF新人賞の選考で私を推してくださって」という素子先生。実は、その時の選考委員が星新一と小松左京、そして筒井康隆だった。素子先生と同じく星と親交の深かった筒井先生が、意外なエピソードを明かす。出版業界が衰退する今の時代において、星の作品は没後10年以上たった今でも、作品の増刷・再販が繰り返されている。素子先生によれば、亡くなったことを知らない若い世代からファンレターが届くという。そんな彼の作品の魅力は、1960年から1970年代に書かれたにもかかわらず、現在をズハリ予測したかのような作品が数多くあること。1969年発表の『番号をどうぞ』は、クレジットカードがようやく出回り始めた当時に、既に番号に振り回される男の顛末を描いている。男の姿は、パスワードや暗証番号に支配される現在の私たちそのものだ。そのほか、1960年に発表した『テレビ・ショー』、1973年の『ナンバー・クラブ』など、現代の事象を見事に言い当てている星の作品の数々を紹介。そのすごさに凡人チームも驚きの声をあげる。
1960年代に現在を見通していた星は、それから先の未来も予測していた。素子先生オススメの『少年と両親』はブラック・ユーモアの効いた不気味な作品。これが予見していた、今後、大きな課題となる事柄とは・・・。
また、斬新なアイデアに満ちた星の頭の中をのぞくクイズも出題。「昭和34年に南極に置き去りにされながら、極寒の地で生き延びた犬タロとジロは日本に大きな感動を呼んだが、これに対して星が口にした、一味違ったコメントとは?」という問題に、凡人チームは・・・!
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「インテリギャル王選手権」第8弾。今回も爆笑珍回答続出!「首都ってなに?」というギャルから、見た目からはまったく想像できない理系アタマのギャルまで、幅広いギャルが登場する。
作家。中学時代から星新一などの影響を受け、SFに没頭する。高校2年生の時に『あたしの中の…』が第一回奇想天外新人賞の佳作に入選し、一躍脚光を浴びる。1981年『グリーン・レクイエム』1982年『ネプチューン』でSF界の名誉でもある星雲賞(日本短編部門)を2年連続受賞。1999年、『チグリスとユーフラテス』で第20回日本SF大賞受賞。最近の主な作品に『もいちどあなたにあいたいな』『窓のあちら側(ふしぎ文学館)』『ちいさなおはなし』など。
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