世界中で愛される物語のひとつ「シンデレラ」で、我々がイメージするヒロイン像は白人の金髪女性だ。だが、アメリカの国語の教科書には、白人とともに“黒人のシンデレラ”と“中国人のシンデレラ”という3種類のパターンが掲載されている。先生はクラスの人種構成に合わせて、教えるシンデレラを決めるのだ。自由と平等の国アメリカならではのエピソードだが、世界の国々の国語の教科書には、その国の文化や伝統、価値観までもが色濃く現れている。そんな世界各国の国語教科書事情をよく知るのが、放送大学特任教授の二宮皓先生。今回は、世界の国語の教科書を通して世界を知る!
二宮先生が「世界一ユーモラスな教科書」として紹介するのは、伝統と革新の国イギリスの教科書。国民は昔からブラックジョークが大好きで、そんな国民性は国語の教科書にも現れているという。日本ではあまり考えられない、ブラックユーモアたっぷりの詩に一同はびっくり。東欧の大国、ロシアはドストエフスキーをはじめ数多くの世界的文豪を輩出。それを誇りとするゆえに、「世界一難しい教科書」になったロシアの教育方針を紹介する。また、豊かな自然に恵まれたフィンランドは、現在、世界中の教育関係者から注目を集めている。それは、子どもの読解力を調べた国際的な調査で世界ランキング1位になったから。そんなフィンランドの「世界一ワクワクする教科書」の内容に一同も納得!?そして、二宮先生が「世界一考えさせられる教科書」として紹介するのは、ケニア。首都ナイロビは近代的なビルが建ち並び、めざましい経済発展を遂げているものの、一方では貧富の差が生まれ、ストリートチルドレンは増加の一路をたどる。哀しく残酷な現実を物語る教科書の内容に一同はやるせない表情に・・・。スタジオでは、アメリカやケニアの教科書が登場し、各国の教科書事情を紹介する。
また、二宮先生はドイツの小学4年生の教科書の内容をピックアップ。現在、ドイツは大きな失業問題を抱え、誇りを失いつつある。そんなドイツに暮らす、ごくごく普通の家庭に起こった父のリストラをテーマにした物語を紹介。だが、それは問いかけで終わるストーリーであり、正解がない。スタジオでは、一同がドイツの子どもになり、最後に子どもが放った言葉の意味を探る。
世界だけでなく、最近の日本の国語教科書もユニークだという二宮先生。なかでも、中学1年生の教科書には4コマ漫画が掲載され、その面白さについて考えるという表現力を学ぶ内容も。そこで、一同も4コマ漫画の最後のセリフを考えたり、写真の動物に一言言わせるという問題にチャレンジ!スタジオは、授業というより大喜利コーナーに!?
「ハテナの自由研究」は、チュートリアルの「自分調査!私ってどう思われてるの?」の第3弾。今回の依頼者は有名洋菓子店のオーナーパティシエとアイドルユニット、TB-Angel(とんぼりエンジェル)の麻倉かをる。なかでも、かをる不在の取材ではTB-Angelのメンバーから厳しいダメ出しが噴出する!
放送大学特任教授。広島大学名誉教授。広島大学教育学部、米国コネチカット大学、広島大学教育学研究科博士課程、文部省大臣官房調査課、広島大学教授、同理事・副学長などを経て現職。専門は比較・国際教育学、教育制度学。著書に「こんなに違う!世界の国語教科書」「世界の学校」「21世紀の社会と学校」「危機に立つアメリカの生徒たち」など多数。
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