いま、静かなブームとなっているレトロ建築。なかでも、レンガ建築は独特の赤い色が温もりと郷愁を感じさせる。そんなレンガ建築に魅入られ、全国各地のレンガスポットを紹介する本「赤レンガ近代建築」を著したのがアートディレクターの佐藤啓子先生だ。赤レンガネットワーク会員であり、天保山赤レンガ倶楽部代表を務め、レンガ建築の保存や活用のための活動を行っている。今回は、佐藤先生が独自の視点から選んだ“関西のレンガ遺産”ベスト7を発表しながら、赤レンガ建築の魅力を存分に紹介する。
そもそも、レンガとは土を焼いて固めた建築素材。「種類や焼き具合によって、色や焼きムラが変わり、それもまた味わい深い」と、レンガについて愛情たっぷりに語る佐藤先生。だが、近年、レンガ建築は姿を消しつつある。明治から大正にかけた、わずか30年の間にしか作られなかったうえ、耐震性にも弱いためだ。だが、明治時代には堺や岸和田など南大阪にレンガ工場が数多くあったため、関西にはレンガ建築が多いとか。そこで今回は、佐藤先生オススメの関西のレンガ建築をランキング形式で発表!和歌山県友ヶ島に不気味な廃墟として残る巨大な軍事要塞跡や、意外な人たちが作った奈良少年刑務所の赤レンガの壁。また、わずか9年余りで廃止になった幻の鉄道を支えた木津川市の赤レンガなど、それぞれのレンガ建築にまつわる知られざるエピソードともに紹介する。
また、レンガにまつわるクイズも出題。中国の万里の長城はレンガで作られているが、あるものを混ぜたモルタルを使ったために、現在にまで残る強固なものになったといわれている。モルタルに混ぜた、あるものとは!?
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「娘から父へ 初めての告白 on the Beach」。ともに照れる娘と父のリアクションが微笑ましい、年に一度の夏の恒例企画!今夏は舞子の浜を舞台に、年頃の娘が父親に日頃の思いを伝える。
アートディレクター。大阪芸術大学デザイン学科卒業。株式会社クラレ広報部勤務を経て夫とともにデザイン事務所を設立。
今年4月まではデザイン事務所と共にギャラリーを主催していた。ロンドンの街並みやイギリスの庭に詳しい。また各地の赤レンガ建築の保存運動をしている。
英国王立園芸協会会員。赤煉瓦ネットワーク会員。社団法人日本グラフィックデザイナー協会会員。
著書「The Red of London」「The English Gardens」「Memories of English gardens」「Cosy English Gardens」など。
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