いま、私たちが毎日、口にする“食品”に大きな不安が広がっている。先頃、3人の死者を出した焼肉チェーン店のユッケ食中毒事件は記憶に新しいが、そのほかにも食品偽装事件は後を絶たない。そもそも“食の安全”が叫ばれるきっかけとなったのは、2002年に発覚し、日本中に衝撃を与えた「雪印食品の牛肉偽装事件」。そして、これを機にできた組織が、「食品表示Gメン」だ。農林水産省の食品表示・規格課を中心に、全国の地方農政局などに配備された、およそ1600人の職員からなるプロフェッショナル集団で、彼らの仕事は食品偽装を暴き、食の安全を守ること。今回のカシコブレーンは、今年の夏まで現場でGメンたちを率いていた元・食品表示Gメン総指揮官の中村啓一先生。関西では連日、トップニュースとなった船場吉兆事件などを暴いてきた中村先生が、恐るべき食品偽装について解説する。
そもそも、ほとんどがまじめにやっているなかで、ほんの一握りの人たちのせいで、真面目にやっている方々が大変な迷惑を被る食品偽装。なかでも、偽装の多い食材の第3位に挙げられるウナギは、産地や銘柄により価格が大きく変わるからだという。今回は、実際に中村先生が挑んだ国産ウナギ偽装事件を再構成してドラマ化。ウナギを偽装する悪徳業者と、それを追いつめ、偽装を暴く食品表示Gメンの調査の様子を紹介する。まず、食品偽装の発覚は、「食品表示110番」にかかってくる電話通報がキッカケ。通報してくる人はほとんどが一般消費者を名乗るが、実際には内部告発や同業他社が多いといわれる。「スーパーで愛知県一色産のウナギの蒲焼きが800円で売られている」という一報を受けたGメン。本来なら数千円もする一色産ウナギが破格値で売られているというのだ。通報者から情報を得た生産地を訪ねると、そこは山間の静かな集落でウナギ工場など見当たらない。そこから、Gメンが黒幕を捕らえ、摘発するまでを描くが、悪徳業者の巧妙な手口と、些細なことからウソを見抜くGメンたちの鮮やかな活躍に一同も感嘆の声を上げる!
また、私たちの身近に潜む食品偽装について、実際にあったケースを紹介。「土がついている野菜は本当に国産か?」「生産者の写真つき野菜は本当に安心か?」「信頼の大手通販会社のタラバガニは本当にタラバか?」について、その恐るべき裏側を明らかにする。なかでも、カニなどの水産加工物は判別がつきにくいとされており、「農林水産消費安全技術センター」に調査を依頼。その驚くべき科学の力に一同は仰天する!
食品偽装を見抜く力を身につけるには、食品表示に気を配ることが第一歩。そこで「食品表示」に関する○×クイズを一同に出題する。「『和牛』と『外国産牛』を見分けるには、『国産』と書いてあるかを目印にすればいい」「『手打ちうどん』は必ず人の手で打たれたうどんである」「『カロリーゼロ』と表示があれば、必ずカロリーはゼロである」などが出題。一番賢い消費者は・・・!?
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食品偽装を相次いで摘発し、「ミスターJAS法」と呼ばれた食品表示Gメンの元名物指揮官。今年8月末に引退した。
昭和43年農林省入省。長野県出身。近畿農政局企画調整部消費生活課長、消費・安全局消費・安全政策課等を経て、平成17年4月より、消費・安全局表示・規格課食品表示・規格監視室長。最後は農林水産省消費流通課長としてコメの放射性物質検査の枠組み作りに取り組んだ。
中村さんが食品偽装の摘発に取り組むようになったきっかけは2002年に発覚した雪印食品(解散)の国産牛肉偽装事件。国のBSE(牛海綿状脳症)対策の買い上げ事業を悪用した社員らは、当時近畿農政局消費生活課長だった中村さんらに「どこでもやっている」と釈明した。「その時のショックが、偽装を暴く道に進むきっかけになった」と振り返る。05年には食品の表示を監視する同省職員「食品表示Gメン」2000人のトップに就任。「店頭での表示が対象となる日本農林規格(JAS)法でいかに摘発するかばかりを考えていた」との反省から、船場吉兆(破産)の偽装問題では、食品衛生法などでの摘発につなげた。実績を買われ、09年以降、3度定年延長された。
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