いつの世においても人々の興味を引きつけるのが「スキャンダル」。テレビや写真がなかった時代は絵画にスキャンダルが描き残された。たとえば、ルネッサ ンス期を象徴する巨匠ボッティチェリの名画「ヴィーナスの誕生」にはW不倫のスキャンダルが隠されている。当時のイタリア・フィレンツェで、“絶世の美 女”として、その名をとどろかせたシモネッタと時のフィレンツェ最高権力者、メディチ家の次男ジュリアーノ。互いに結婚していながら恋愛関係にあった2人 だが、シモネッタは結核を患い、若くして亡くなってしまう。その死を悲しんだジュリアーノがボッティチェリに描かせたのが、「ヴィーナスの誕生」なのだ。 このような名画に潜む美女たちのスキャンダルを解説するのが、2度目の登場となる作家の山口路子先生。数々の著書で名画に秘められた男と女の物語を解き明 かす山口先生が、今回は名画に潜む美しき女たちのスキャンダルを紹介する。
山口先生が、ひとつ目に取り上げるのは、フランソワ・ジェラール作の「レカミエ夫人の肖像」。19世紀後半にパリの社交界の華だったレカミエ夫人は、結 婚しているにもかかわらず、「永遠の処女」と呼ばれた。その哀しい理由とは・・・!?前代未聞のタブーを犯した結婚にはじまり、彼女を愛人にしようとした ナポレオンの求愛を拒否して純愛に生きたレカミエ夫人のスキャンダラスな人生を描く。また、レカミエ夫人の、もう一つのスキャンダラスな一面も紹介する。
ふたつ目の作品は、ポール・ボードリーが描いたスキャンダラスな絵。それは、バスタブの中で胸をナイフで刺され、絶命している男性と、かたわらに毅然と した表情で立つ美女の絵画だ。その女性こそ、“暗殺の天使”と呼ばれたシャルロット・コルデー。修道院で暮らす美しく気品のある若き女性が、フランス革命 の勃発によって“暗殺の天使”になるまでを描く。まっすぐな愛国心とゆるぎない正義感を抱いた彼女が暗殺した男性とは!?
画家のジョン・シンガー・サージェントが描いた名画「マダムX」。“ある婦人の肖像”という意味のタイトルで発表された美しい女性の肖像画だが、この作 品はパリの展示会で、とんでもないスキャンダルを招いてしまう。作品のモデルはパリ社交界に花咲く美貌のゴートロー夫人だが、「マダムX」の発表により、 サージェントはロンドンへ逃れ、夫人も社交界から追放されるハメになった。そのスキャンダラスな理由とは!?
「ハテナの自由研究」は、たむけんの人気企画「サギ写を見抜け!」。今回の助っ人は、前回に三戦全敗し、おさらばのはずの「さらば青春の光」が、まさか の連投!ハイヒール・リンゴがお気に入りの漫才コンビであり、今回はリンゴにプレゼントされたシャツとジャケットで登場する。はたして、リンゴのメンツを 立てることができるのか!?
作家。大学卒業後、高校の世界史講師を経て1992年『アートサロン時間旅行』を主宰する。1995年より芸術雑誌等にエッセイを連載。1996年に結婚。1999年に女児出産。2001年4月に世田谷から軽井沢へ移住。これを機に作家活動を本格的に開始。 著書『彼女はなぜ愛され、描かれたのか』では、「絵は知識先行ではなく、感じるか感じないか」といった姿勢でモデルと画家との関係を軸に恋愛を語り、『いい男と出会えていないあなたへ』(青春出版社)は、年下の女性に向けた恋愛論。恋愛に悩める年頃になった娘を想定して大真面目に書いた。 2006年7月に初の小説『軽井沢夫人』(講談社)を刊行。エロスと哲学とユーモアがキーワード。2007年8月に“愛と官能の長篇小説”というキャッチが帯を飾る『女神 ミューズ』を刊行している。
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