地球の7割を占める海。そこには地球上の生物の85パーセントが生息していると考えられている。そして、海のおよそ9割が深海だ。深海とは深さ200メートル以上の領域で、太陽の光が届かない闇の世界。地球最大のミステリーゾーンともよばれる深海には我々の想像を遥かに超えた未知なる生物がうごめいている。そんな深海に潜む生物の生態を世界に先駆けて研究する機関が「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」。世界最高レベルの探査船を使い、世界中の海を調査し、少しずつ深海の謎を解き明かしている。今回は、JAMSTECの研究員、和辻智郎先生を迎え、JAMSTECの蔵出しレア映像満載で、深海の驚くべき生命体の姿や生態を解説する。
日本が世界に誇る有人潜水調査船「しんかい6500」。乗れるのはパイロット2人と研究者1人のみで、誰でも乗れるわけではない。だが、和辻先生によれば芸能人枠もあるという。芸能人で初めて深海5000メートルの世界を体験したのはアイドルの中川翔子だとか。行き帰りでおよそ8時間かかるという調査船のすごし方を和辻先生が明かす。
2008年、JAMSTECは深海で生命誕生の謎に迫る生物を発見した。世界初となった大発見を、JAMSTECの蔵出しレア映像満載で紹介する。一般的 なダイビングで人間が潜れるのは約40メートル。そんな人間が潜れる限界を超えた場所に入ると、マリンスノーが現れる。プランクトンや浅い海で暮らす生物 たちの排泄物が固まったもので、雪のように降り注ぐ様は幻想的だ。水深200メートルに突入すると、太陽光が届くのは海面のわずか0.1パーセント程度。 弱い光を感知するために異様に目が発達したギョロ目の生物たちが現れる。さらに、水深を進めると、真っ暗な深海だからこその不思議な生態をもつ生物が 続々!そして、JAMSTECの世界初の大発見という地球最古の生物とは!?スタジオには、熱水噴出孔に暮らすゴエモンコシオリエビと、体の表面が鉄の鱗 で覆われているスケーリーフットの標本が登場する。
JAMSTECが調査するのは深海の生物だけではない。2006年にはメタンハイドレートと呼ばれるメタンガスの結晶を発見するなど、地球のメカニズムを解明するため、地質調査も行っている。今年5月には「世紀の大発見!?」と世界を沸かせたが、その発見とは!?
また、まだまだ謎に満ちたクラゲの貴重な映像を紹介。クラゲの神秘的な姿とともに、そのユニークな生態を解説する。
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「ケータイ番号断捨離」。消そうとは思っているが、なかなかふん切りがつかず、消すに消せない携帯電話番号の断捨離をたむけんがお手伝いする。3年前のクリスマスの夜、帰って来なかった彼女になにがあったのか?別れてしまった元カノに男の子が電話をすると・・・!
和辻 智郎(わつじ ともお)
海洋研究開発機構研究員。兵庫県生まれ。
筑波大学大学院で博士の学位を取得した後、日本大学生物資源科学部のポストドクターを経てJAMSTECに。
深海・地殻内生物圏研究プログラムに従事し、専門は極限環境共生学。バクテリアと深海動物間の共生研究を行っている。
最近は光るキノコに心を奪われている。