“武器を使わない戦場”といわれる国際外交。それは、国際会議などの表舞台だけでなく、その裏側で繰り広げられる華やかな“饗宴”でも行われている。晩餐会のテーブルに並ぶ料理や飲み物には、様々な政治的メッセージが暗号のように隠されているのだ。たとえば、フランスのミッテラン大統領は、当時、大統領選に敗れ、非公式で訪れたブッシュ大統領と、翌年、国賓として訪問した新大統領のクリントンをワインで格付けした。そこに込められたのは、ミッテランの痛烈なメッセージ。そんな絢爛豪華な饗宴のメニューから国家間の外交関係を読み解くのが、国際ジャーナリストで毎日新聞社専門編集委員の西川恵先生。今回は、西川先生が饗宴メニューに秘められたメッセージを解読し、国際関係の舞台裏に迫る!
国際外交における“饗宴”とは、食事だけでなく、スピーチや演奏する曲などの演出、しきたり、おみやげ交換に至るまで、全体を指しているという西川先生。だがおもてなしの特徴は各国によってさまざまだという。そこで、各国の饗宴事情を紹介。フランスでは大統領が決める饗宴メニュー。そこには様々なメッセージが込められている。1990年にフランスを訪問した海部首相は、当時、政治家としては地味な印象で、さほど注目される存在ではなかった。そこで出された料理とワインに隠された意外なメッセージとは!?さらに、1994年にフランスを訪れた羽田首相に用意されたワインには辛辣なメッセージが込められていた!アメリカの饗宴の主導権を握るのはファーストレディ。なかでも、ブッシュ大統領の妻、ローラ夫人がとった政治的画策や、2002年、ブッシュ大統領と小泉首相の晩餐を演出したローラ夫人のおもてなしを紹介する。赤ワインに込められた無言のメッセージに、スタジオの一同も「大人のごはん会やな~」と、しみじみする。
もてなす側から最も気を遣うゲスト国として挙げられるのが、細かい所まで口出しをする中国。そして、中国と日本はいま、緊迫した関係が続いている。そんな日中関係のなかで、歴史に残る饗宴があった。それは、2006年に中国で開かれた安部首相と温家宝首相の晩餐会。饗宴外交の知られざる真実を解説する!
饗宴の舞台では、時として様々な意味が込められることのあるワイン。そこで、関西の美人ソムリエが番組メンバーをイメージし、それぞれに合うワインを紹介する。ソムリエがたむけんへのメッセージを込めて選んだというワインには、理由を聞いたたむけんが、飲む前から「しみるわ~」と苦笑する!?
「ハテナの自由研究」は、ブラックマヨネーズの「弟子は師匠を超えられるのか!?」。今回は、エアブラシ・アーティストの師匠と弟子がスプレーアート対決。国からの依頼まで受ける師匠と、師匠が天才と褒める弟子のガチンコ対決の行方は・・・!?さらに、寿司職人の師匠と弟子の対決では、この道28年の師匠と、まだ5カ月という弟子が握り寿司で対決する!
西川 恵(にしかわ めぐみ)
国際政治ジャーナリスト。長崎県生まれ。
1971年東京外国語大学中国語学科卒業後、毎日新聞に入社。社会部などを経て、テヘラン支局、パリ支局、ローマ支局と外信部を歴任。97年、著書『エリゼ宮の食卓』でサントリー学芸賞受賞。外信部長、論説委員を経て、専門編集委員に。
フランス政府農事功労賞、フランス国家功労勲章を受章している。
また前述以外にも、『ワインと外交』『国際政治のゼロ年代』『国際政治のキーワード』等の著書がある。
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