世界は“数字のワナ”に満ち溢れている。たとえば、ほんのわずかな数値の差でも、その差を大きく見せることができる。それは、グラフの縦軸の目盛の取り方を操作し、基軸をゼロから始めないこと。目盛の幅を小刻みに取ることで、わずかな差が大きく見えるようになるのだ。このような数字のトリックを使った詐欺や確率の問題に出くわすと、私たちは固定観念にとらわれて正確な判断ができない場合も多い。そんな数字の巧妙なトリックを解説してくれるのが、横浜国立大学大学院教授の今野紀雄先生だ。今回は、今野先生が数字の巧妙なトリックを暴き、数字にだまされない方法を伝授する。
スタジオでは、まず、アメリカのテレビ番組で実際に行われていたゲームを再現。それは、A、B、C、D、Eの5つのドアのうちの1つに豪華賞品が隠されているという設定だ。残りの4つはハズレなので、当たりの確率は5分の1となる。そこで、Aのドアを選ぶと、BとCとDはハズレだと告げられる。残るはEのみ。当たる確率はAもEも同じだと考えてしまいがちだが、実は、そうではない!いったい、どちらの確率が高いのか!?これには凡人チームも仰天する!
数字のワナは日常の思わぬところに潜んでいる。そのひとつが“平均値”。新聞の記事によく掲載される「1世帯当たりの平均貯蓄額」が1169万円だとすると、平均に遥かに及ばない私たちはガッカリしてしまう。だが、ガッカリするのはまだ早い!そこには大きなワナがあるのだ。というのも、平均値は実情のデータを反映しているとは言い難いのだ。その理由とは!?そして、実情のデータを知りたいときに便利な数値とは!?そのほか、最良のモノを選ぶはずの“多数決”の落とし穴や、病気の検査などでよく耳にする“精度99パーセント”の意外な真実を解説する。
数字のトリックは日々のニュースの中にも潜んでいる。今年8月に農林水産省が発表した、日本の2012年度の食料自給率は39パーセント。かなりの低い数字に不安を覚えた人も多いはず。しかし、実は日本の食料自給率にはカラクリがあった!政府ぐるみとも考えられる数字のトリックには凡人チームも仰天する。また、全米を揺るがし、日本でも大きく報道された「O・J・シンプソン事件」。元妻のニコールを殺害したという容疑をかけられたシンプソンは、日常的にニコールに暴力を振るい、離婚後も執拗につきまとって脅迫していたという。しかし、決定的な証拠はなく、判決は無罪。“ドリームチーム”と呼ばれたスゴ腕の弁護団がとった数字を使った、作戦とは!?数字の恐るべきカラクリには一同も震撼する!
また、様々な確率を、並び替えクイズで紹介する。
「ハテナの自由研究」は、チュートリアルの「男女両道女グランプリ」。男にも女にもウケのよい、“文武両道”ならぬ“男女両道女”を検証する。今回は、現役中学生の読者モデルや自称“ゲスいアイドル”、ブラジル人女性などが登場。女性審査員が厳しい視線を送る!
今野 紀雄(こんの のりお)
数学者。東京生まれ。東京大学理学部数学科卒。アメリカ屈指の名門大・コーネル大学数理科学研究所客員研究員を経て、現在、横浜国立大学大学院工学研究院教授。研究テーマは『量子ウォーク』『無限粒子系』『複雑ネットワーク』。日本数学会、日本応用数理学会などに所属している。著書に『図解雑学 確率』『図解雑学 確率モデル』『図解雑学 複雑系』など多数。担当の高岡曰く「とてもいい先生です!」。
この回の内容に興味がある方は・・・
![]() |
![]() |