時代を超え、見る者の心を捉える世界の名画。そこには、画家たちの様々な思惑が巧みな仕掛けによって描き込まれているものもある。「バベルの塔」で知られる画家、ブリューゲルが描いた作品「死の勝利」は、骸骨たちが死神のごとく人間を襲い、死に至らしめる様子が描かれているが、これは、当時のヨーロッパの世相を反映している。戦争が絶えず、飢饉にみまわれ、ペストが猛威を振るった時代、“死”は常に人々のそばにあった。また、一見しただけではわからないが、絵を読み解くと、その恐怖を感じる作品も。そのひとつがポール・ドラローシュの「ロンドン塔の王子たち」だ。薄暗い部屋で少年2人が身を寄せ合っている絵だが、彼らは悪名高いリチャード3世によって幽閉された王位継承権をもつ子供たち。まさに彼らの命は風前のともしびで、絵の中には、もはや逃れる術のない兄弟の死の恐怖が刻まれている。そんな怖い絵に隠された真実の物語を解き明かしてくれるのが、早稲田大学講師で、作家の中野京子先生。著書「怖い絵」は文庫本にもなった人気シリーズだ。今回は、中野先生が怖くて美しい名画に隠された謎を解き明かす。
「怖いもの見たさ」という言葉がある通り、なぜか怖いものに惹かれてしまう私たち。中野先生によれば、画家たちは恐怖の中にも美を見いだし、それを作品にしているという。そこで、中野先生が厳選した「怖い絵」を紹介しながら、ミステリーを読み解く。どこかおぞましく、心をざわつかせる強烈な作品を数多く残したフランスの画家、オディロン・ルドンの不気味な作品「キュクロプス」や、ヒエロニムス・ボスの傑作で、美術史最大の謎といわれる幻想的な宗教画「快楽の園」、イギリスの画家、ジョシュア・レイノルズが暗い表情の少年を描いた「巾着切りのメルクリウス」、白装束のピエロが血を流すジャン=レオン・ジェローム作「仮面舞踏会後の決闘」を取り上げ、時代背景や画家の人物像と照らし合わせながら、絵に込められた真実を解き明かす。スタジオでは、16~18世紀にヨーロッパで行われていた名誉のための戦い“決闘”について、一同で盛り上がる。
激動の近代スペインを生きたスペイン絵画の巨匠、フランシスコ・デ・ゴヤ。彼は晩年、マドリード郊外の別荘にこもり、その壁をキャンバスに14枚の絵を描いた。後に「黒い絵」と呼ばれるようになった一連の作品は、子供を食らう絵など、どれも恐ろしい様相を呈している。そんな作品をなぜゴヤは遺したのか。そこには、運命と戦い、人間の内なる闇を描くようになったゴヤの波乱の人生があった。貧しい職人の子に生まれながらも、その才覚から一流の証となる宮廷画家の地位を手に入れるまでになったゴヤ。そんな彼が人の心に潜む恐れや醜さを描くようになったきっかけとは!?ゴヤの代表作を紹介しながら、「黒い絵」に込められたメッセージを解説する。
また、一見するだけではまったく怖い絵に見えないが、実は怖い真実が隠されている名画を、クイズ形式で紹介する。
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「一流料理人が作る匠めし」のスペシャルバージョン!一流料理人がコンビニおにぎりや菓子パンなどを豪華な料理に変身させる人気企画だが、今回は日清食品から「チキンラーメンで匠めしを作ってほしい」というリクエストを受け、和食とイタリアンの料理人が挑む。追加できる食材は普通のお宅の冷蔵庫にある5品。チキンラーメンは、どんなメニューに変身するのか!?
中野 京子(なかの きょうこ)
この回の内容に興味がある方は・・・
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