2014年2月28日、日本の偉大な詩人、まど・みちおが亡くなった。その名前は知らずとも、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」「いちねんせいになったら」など、日本人ならだれもが知る、おおらかでユーモアに満ちた童謡は歌ったことがあるはず。これらの作詞をしたのが、まど・みちおだった。そんな彼の詩を本にした絵本「くうき」は、目には見えないが、人も動物も生き物すべてが口にする“空気”を言葉と絵で表現した作品であり、奇しくも、東日本大震災が起こった2カ月後に出版。世界中の人が改めて命の尊さを感じた時期に、この絵本は多くのメッセージを与えた。そんな絵本の魅力を教えてくれるのが、子どもの本専門店「メリーゴーランド京都」の店長、鈴木潤先生だ。日々、たくさんの絵本と接し、絵本の魅力をイベントやメディアから発信し、“絵本のある暮らし”の普及に努めている。そんな鈴木先生が、大人にこそ読んでほしい絵本の数々を紹介する。
「絵本は、読み手によって感じ方が違うので、子どもも大人も楽しめる」という鈴木先生。そこで、様々な悩みを抱える大人たちにこそ読んでほしい鈴木先生厳選の絵本を紹介する。日々の営みの中で訪れる試練の時。立ち向かう勇気が欲しい人へ鈴木先生がススメるのは、世界で一番弱虫な男の子とちっちゃなライオンの物語。50年近く前にハンガリーで出版され、今も世界中でロングセラーとなっている絵本が伝える大切なこととは?
息つく暇もないほど慌ただしい日々を過ごしていると、すべてを投げ出し、どこか遠くへ行ってしまいたいと思うことがある。そんな人へ鈴木先生がススメるのは、“子どもの本のノーベル賞”といわれる「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を日本人で唯一受賞する荒井良二の絵本。ユニークな擬音が心地よく、子どもたちにも人気のある絵本だとか。スタジオの大人たちも、「心の変化を表している」「人生の話」など、解釈で盛り上がる。さらに、スタジオでは、子どもに絵本を声に出して読んであげる“読み聞かせ”に浜口順子と八塚アナウンサーが挑戦!鈴木先生が二人を判定するが、その評価にはスタジオ中が騒然となる!
また、日本ではまだ数少ない“死”をテーマにした絵本を紹介。おじいさんが自然に死を迎える姿を静かに描く物語には、浜口も目を潤ませる。
マニアックな大人のための絵本も紹介。なかでも、世界中にファンがたくさんいるカルト的な絵本作家、ゴーリーの「悪いことをして罰があたった子どもたちの話」には、シュールでブラックな世界に一同もギョッとする!?
「ハテナの自由研究」は、チュートリアルの「ウチの彼氏にかぎって!」。彼女に「俺は絶対に浮気はしない!」と断言する男は本当にブレないのか?を検証するリスキーな企画。仕掛け人の誘う女になびいてしまうのか?それともキッパリと断るのか!?今回も、彼女が見たことのないような彼氏の浮かれた姿が次々と・・・!
鈴木 潤(すずき じゅん)