「棚から牡丹餅」や「二階から目薬」など、その数が50000にも及ぶといわれる“ことわざ”。先人たちが経験から培った様々な教訓が込められた言葉だが、時代とともに、本来とは異なる意味を持つようになったものもある。「見ざる言わざる聞かざる」のルーツは「論語」のなかにある孔子の言葉。日本では「自分に都合の悪い事は、見たり、聞いたり、言ったりしないほうが良い」という戒めとして広まったが、実は孔子が言ったのは3つではなく、4つだった。そのもう1つとは…!?そんな知れば知るほど面白い、ことわざの奥深さを教えてくれるのが、辞書編纂者の飯間浩明先生。三省堂国語辞典の編纂に携わる、日本語のプロフェッショナルだ。今回は飯間先生が生活や人生の知恵となることわざの世界を紹介する。
ことわざとは「生活の中から生まれて伝わってきた、『なるほど』と思わせる短い言葉」だという飯間先生。長い年月を越え、現代に受け継がれてきたことわざには、そのルーツを探ると、意外な物語が隠されているものもある。「犬も歩けば棒に当たる」ということわざは、「積極的に動き回ると、幸運に遭遇することがある」という意味で使われることが多いが、本来の意味はまったく異なっていた。まだ“飼い犬”のいなかった江戸時代初期に生まれた元来の意味とは?「秋茄子は嫁に食わすな」という嫁いびりを表したことわざは、元になったといわれる和歌が江戸時代の辞書にある。和歌で詠まれた“嫁”の意味とは? そのほか、戦国時代ならではの武家の物語が隠された「元の木阿弥」や、ある男の政治的発言から生まれた「酒は百薬の長」など、ことわざヒストリーを紹介する。
今ではあまり使われなくなったものの、知れば思わず膝を打ちたくなるようなことわざを紹介。人生の道しるべとなることわざの数々を、人気漫画風のドラマに散りばめて紹介する。
また、スタジオのメンバーが新しいことわざ作りに挑戦。恋のことわざとお金にまつわることわざを考案するが、ポイントは「なるほど!」と思わせること。センスの良さを発揮し、飯間先生に「一番良かった」と選ばれたのはだれなのか!?
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飯間浩明(辞書編纂者)
国語辞典編纂者・日本語学者。1967年、香川県高松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同文学研究科博士後期課程単位取得。『三省堂国語辞典』編集委員(第6版から)。NHK Eテレ「使える!伝わる にほんご」講師。同Eテレ「ことばドリル」監修。日本語をこよなく愛する。国語辞典編纂のために、新聞・雑誌・テレビ・インターネットなどから多くの現代語の用例を採集する作業を続ける。その成果は著書にも反映されている。一方、クイズやディベートを取り入れた独自の文章指導を10年以上続けている。『不採用語辞典』『遊ぶ日本語 不思議な日本語』ほか、言葉に関する著書多数