近年、“観光列車”と呼ばれる、乗ること自体を目的にした列車が数多く登場。今年の6月に満を持してデビューする「トワイライトエクスプレス瑞風」は、“美しい日本をホテルが走る”をコンセプトにした、一両一室の客室を備えた豪華観光列車だ。そのほか、最も予約が取りにくいといわれるJR九州の「ななつ星」や、関西なら近鉄の「しまかぜ」など、高い人気を誇るものも増えている。そんな観光列車の先駆けといえるのが、京都の嵐山から亀岡までを走る「嵯峨野トロッコ列車」。春は桜、夏は川のせせらぎ、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の車窓を楽しめる人気の観光列車だ。一度は廃線の危機にさらされた路線を復活させ、鉄道マンたちの熱い想いと努力、アイデアによって、新たに観光列車として生まれ変わった。観光列車には様々な人たちの思いが詰まっている。そんな観光列車について教えてくれるのが、運輸評論家の堀内重人先生。数々の観光列車に乗車し、鉄道に関する著書や講演活動を行っている。今回は、“乗り鉄”の堀内先生が観光列車の魅力と舞台裏を紹介する。
観光列車とは、通勤列車とはまったく異なる内外装や地元の味覚を楽しみながら旅行できるなど、乗ること自体を目的にした列車の事で、全国に100種類以上あるという堀内先生。最近では様々なコンセプトを持つ観光列車が登場している。そんな個性的な観光列車を大野アナウンサーがリポートを交えながら紹介する。取り上げるのは、“和と美のおもてなし”をコンセプトに石川県を走る女性にオススメの観光列車、窓側に向いたシートやシアター状の座席配置を最初に取り入れた静岡県のパイオニア的観光列車、親子シートなどを配した親子で楽しめる遊園地のような観光列車、“上質な大人旅”をコンセプトにした関西が誇る観光列車、100年の時を超え、九州で甦った幻の豪華列車。その楽しみ方や観光列車に秘められた鉄道ロマンを紹介する。
2016年4月、新潟県に新しい観光列車「雪月花」が誕生した。“メイドイン・新潟”にこだわった列車で、人気のひとつは美しい車窓を眺めながら味わう料理。腕を振るうのは、糸魚川で創業200年の歴史を誇る料亭の5代目店主、青木孝夫さんだ。新潟の食材をふんだんに使った料亭の味は大きな目玉だった。しかし、運行開始からおよそ半年後の12月、料亭を思いもよらない悲劇が襲う。糸魚川で大規模火災が発生し、料亭はすべて焼き尽くされてしまったのだ…。実際の映像を交えながら、奇跡の復活を遂げる感動の物語を紹介する。
また趣向を凝らした観光列車をクイズ形式で紹介する。
「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの「パン屋さんの嫁対抗!アレンジトーストGP」。食パンは様々なアレンジが楽しめるが、人気のパン屋さんの奥さんなら、いろいろなトーストの食べ方を知っているはず。そこで、パン屋さんの奥さんが集まり、アレンジトーストを競うグランプリを開催。4人の奥さんが家庭でもできる美味しいトーストのアレンジを披露する。
堀内重人(運輸評論家)
1967年生まれ。立命館大学経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家として執筆や講演活動、ラジオ出演などを行う傍ら、NPOなどで交通問題を中心とした活動を行う。日本交通学会・公益事業学会・日本海運経済学会・交通権学会・日本モビリティー・マネジメント会議・日本環境教育学会会員。近著に『ビジネスのヒントは駅弁に詰まっている』