いま、世界的にベストセラーになっている話題の著書がある。ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグ、オバマ前米大統領など、世界の名だたる知識人が絶賛する「サピエンス全史」だ。この本は、人類の壮大な歴史と生き物としてのヒトの本質が綴られている。私たちが学校で習った人類の進化といえば、世界各地でヒトが進化し、ネアンデルタール人はヨーロッパ人に、北京原人は中国人や日本人になったと記憶している人も多いはず。だが、最近の研究では、全世界の人類のルーツは、15万年前にアフリカで生まれたホモ・サピエンスだということがわかってきた。他の人類は淘汰され、絶滅。生き残ったホモ・サピエンスは海を渡り、全世界に進出し、今に至っている。つまり、現代に生きる人種はすべて同じホモ・サピエンスなのだ。では、なぜ、ホモ・サピエンスだけが繁栄を遂げたのか?ホモ・サピエンスが生態系の頂点に立つことができた理由とは?そんな人類史上最古のミステリーを解き明かしてくれるのが、人類進化学者の海部陽介先生。「ホモ・サピエンスは他の人類にはない力を持っていた」という海部先生が、人類の壮大な物語を紹介する。
今から15万年前、アフリカの一地域に現れたホモ・サピエンスは、他の人類とあまり変わらない狩猟採集の生活を送っていた。言葉を話し、火を使う生活が10万年ほど続いたあるとき、彼らの中に変化が起こる。それは“認知革命”といわれる、架空のものを想像する力の獲得だった。3万6000年前に作られたといわれる象牙の彫刻は、ライオンのような人間をかたどっている。もちろん、当時、そんな生き物はおらず、ホモ・サピエンスが創り出した架空の生き物だ。この想像力こそが他の人類と異なる特徴であり、この認知革命によってホモ・サピエンスの繁栄はもたらされた。熊やライオンよりも弱い存在のホモ・サピエンスは、いかにして生態系の頂点に立つようになったのか?その過程を解説する。
想像力はホモ・サピエンスならではの力だった。では、想像力が欠如していたといわれるネアンデルタール人が現代社会に現れたとしたら、どのように思うだろうか?実在するものは認識できるが、ホモ・サピエンスが作り出した“虚構”を理解することはできないネアンデルタール人。彼らにとって、お金はただの紙!?ネアンデルタール人の目に映る現代社会の虚構とは・・・。
想像力を手にし、様々な道具を作り出したホモ・サピエンス。そんな道具にまつわるクイズを出題する。
「ハテナの自由研究」は、ブラックマヨネーズの「大激論!関西人のクセに!?~お好み焼き編~」。“関西風”と“広島風”でしばしば激論が起こるお好み焼き。関西人の中でも、お好み焼きは「絶対に広島風!」という人と、「広島風お好み焼きなんか、ありえへん」という人がいる。はたして、関西人の中で“広島風”はアリなのか、ナシなのか?今回は、チーム関西風とチーム広島風が激突!2つのチームが、特にこだわりはないという吉田率いるチーム吉田の5人に、それぞれの美味しさを激しくアピールする。5人が最終的に下した判定はアリか、ナシか!?
海部陽介(人類進化学者)
人類進化学者。1969年生まれ。東京大学卒、同大学院理学系研究科博士課程中退。1995年から国立科学博物館に勤務し、現在は人類史研究グループ長。化石などを通して約200万年に渡るアジアの人類進化・拡散史を研究。
平成24年度には第9回日本学術振興会賞を受賞。著書に「日本人はどこから来たのか?」「人類がたどってきた道」など