日本三大砂丘の一つとも称され、今や絶滅が心配されるアカウミガメの産卵地でも知られる吹上浜(南さつま市をはじめ、鹿児島の三つの市をまたぐ、長さ47キロメートルもの日本一長い砂丘)に程近い、海辺の町の中心地に建つO家は、母と娘、親子二人で暮らす、築39年の店舗兼住宅。十年前、以前はクリーニング店だった中古の物件を買い、一階を小料理屋に改装。店を一人で切り盛りする依頼者の明るい人柄もあって、昼夜を問わず、常連客で繁盛している。そんな依頼者にとって一番の悩みは家の風呂。建坪が9坪しかない小さな家のため、住居部分の二階にあるベランダに無理矢理水回りを増築した。そこは広さがわずか二畳の、波板で囲っただけの簡易的な小屋をベランダに載せただけのもので、シャワーユニットと洗面台、乾燥機と洗濯機をぎゅうぎゅうに詰め込み、タオル置き場はなんと窓の庇の上。脱衣場もなければ、湯船もなく、とても日々の疲れがとれるような風呂場ではない。また、二階にはトイレがなく、一階の店舗と兼用のため、長女がトイレを使いたい時も、お客さんが入っていないか、いちいち電話で厨房の母に確認しなくてはならない始末。さらに、1階と2階をつなぐ階段は驚くほど狭く、人一人通るので精一杯の幅だ……。
と
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~型破りの薩摩隼人~
宇都博徳
サウルス建築設計事務所 / 一級建築士

家を建てる人は多くの夢を持っている。色々な制約もあるが、本当の夢は何かを語りあい、それを実現する為に、既成概念にとらわれない柔軟な発想で真剣に考える。それが、夢実現の近道で、その人らしい家に近づくことができる大切なこと。家族に寄り添い理想の家づくりを追及していく。
丸久建設(株)
鹿児島県鹿児島市

