家族の窮地を救うために立ち上がった匠は17人。17軒の家・アパートを劇的に大改造しました。登場した「匠」たちが、互いに厳しい目で評価。過去の大賞受賞者も評価に加わり、2015年の優秀作品を選びました。「家具・収納」、「キッチン・水回り」、「空間アイデア」、「思い出・再生」の4部門。それぞれのテーマで受賞した物件と、最も多くの「匠」たちから支持された2015年のビフォーアフター大賞の物件をご紹介いたします。
「究極の狭小解消 ベッド・オン・ザ・デスク」
命がけで背伸びする家
(2015年6月7日放送)
~住まいのパーソナルトレーナー~
木村哲矢
狭小8坪の荷物に埋もれた家。娘の趣味は書道・水墨画。匠は十分な趣味のスペースを確保するために、寝室のベッドに注目。ベッドの上にある台を引き下ろせば、ベッドが「匠」特製の大きな作業机に早変わり。
~森の木の代弁者~ 松永務
可動するだけでなくきめ細かい工夫による使いやすいテーブル。
~草屋根の振付師~ 前田由利
用具を美しく並べられる丁寧なデザインが素晴らしい。
「チーム団結 合体キッチン」
布団で間仕切る家
(2015年11月22日放送)
~雅空間の若き志士~
長谷川渉
強豪女子バスケットボール部員5人が下宿する監督夫婦宅のキッチン。普段はそれぞれ独立した配膳台とテーブル。ところが、OGや他の部員など、来訪者の多い事情に合わせて、テーブルの天板が回転、そして配膳台と合体!大人数で囲むことのできる大テーブルに!
~楽しい住まいの発明家~ 原宏
テーブルが回転!配膳台と一体化し、大テーブルになるアイデアは圧巻。
~安らぎの空間療法士~ 大滝珠乃
下宿ならではの皆で楽しく使える素晴らしいキッチン!
~自然素材の伝道師~ 瀬野和広
こういったシェアハウス的な住まい方が今後の生活文化になるはず。
「母娘3代 寝台スイート」
電車サイズの家
(2015年2月15日放送)
~夢生む住まいのコンサルタント~
進藤勝之
両手を広げた幅の家!そんな極細住宅の9畳弱のスペースに匠が作りだした母娘3人分の個室。ベッドが収納とソファ、そして間仕切りを兼ね、頭上には昇降式のクローゼットが!そのヒントは寝台特急の客室。まさに寝台スイートが完成!
~動線の旅人~ 関谷昌人
寝台特急の仕組みを間口1.5間の細長い敷地に応用したのは見事!
~日本伝統建築の語り部~ 古川保
建築と家具が一体化。造作家具の見本だ。直列ベッドは最高の出来。
~町家住まいの伝え人~ 伴現太
母娘3代の個室が並ぶ様が実に微笑ましい。
「形見そのまま師匠の書斎」
床下から潜望鏡が覗く家
(2015年1月11日放送)
~自然素材の伝道師~
瀬野和広
故・立川談志さんが愛した築50年の家。この家には、亡き師匠の生前の面影が今もくっきりと残っている。そこで、匠は大事な資料をカビから守る最新式の全館空調システムに変えつつ、師匠の書斎は全く変えないリフォームを行った。
~住まいと環境の調合師~ 坂口弘樹
機能性を高めながら現風景をそのまま残す秀逸なプラン。
~日本伝統建築の語り部~ 古川保
大工事をしたのにリフォーム前後が同じ。娘の「父がいそうな気がする」の一言につきる。
「床下から潜望鏡が覗く家」
(2015年1月11日放送)
~自然素材の伝道師~
瀬野和広
故・立川談志さんが愛した家を引き継いで住むことになった弟子の志らくさん一家。新たな家族の快適な住まいに、談志ミュージアムも完成。さらには収納式の高座まで!特性のウッドデッキは師匠が大好きだった桜を目の前で愛でることができる。いつまでも、亡き師匠とともに…この家はずっと生き続けることでしょう。
瀬野和広氏
ビフォーアフター大賞2015受賞コメント
2015年は番組内で素晴らしい家がたくさん紹介されていたので、素直に嬉しいです。2012年に続き2度も大賞を戴けるとは思ってもいませんでしたので(笑)。
この物件は立川談志師匠の家という事で、私も気を引き締めて設計に臨みました。当初木造と思って設計を進めていたのですが、解体後に鉄骨造と判明し、最初から設計をし直さなければならないという苦労もありましたが、現場の職人さん達の熱意とチームワークで乗り越える事が出来ました。ご家族に喜んで頂けたのが一番嬉しかったですね。
これを励みに、今後も良い家作りに意欲的に取り組んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。
~安住空間の探求者~ 本間貴史
独演会のできる収納式の高座に鳥肌が立った。
~雅空間の若き志士~ 長谷川渉
天竜杉で統一された外観・内観、桜を軸に作られたデッキが見事!
~廃材のスタイリスト~ 金井良一
師匠の思い出を残しつつ、弟子一家にも住みやすい見事なリフォーム。
~命を守る家の語り部~ 中北幸
師匠(故人)から弟子へ住み手が代わることと向き合い、生き長らえさせていく事物を明快にしたリフォームだ。
~古の技の継承者~ 石井和浩
立川談志の生き様が建築を通して表現できている。
~三次元の冒険家~ 西濱浩次
ベッド上部のデッドスペースを活用した見事な可動式テーブル。