今回の依頼は、埼玉県さいたま市のO家。築38年、建坪20坪の木造二階建て。実はO家のリビングは長年、依頼者である長女の営むそろばん教室として使用され、高齢の両親の暮らしを圧迫してきた。教室用に多くの長机がリビングを占拠しているため、食事は両親がその長机に並んで座らないと食べられない。ソファも置けず、父は堅い床にヨガマットを敷いてテレビを見るなど、両親はリビングの片隅で、日々を過ごしている。特に教室のある日は、生徒たちが来る前に高齢の両親が長机を並べるなど、教室のセッティングに大忙し。もともと父が依頼者である娘に家のリビングを使うことを提案したのだが、体力には自信のあった父も今では76歳。最近リウマチを患い、体の自由が利かなくなってきた。しかもそろばん教室がある日は、授業が始まる前に、生徒である子供たちの自転車を家の駐車スペースに置くため、両親はいつも車で外出。授業中は、台所や冷蔵庫も使えず、母がカレーなどを事前に調理しても、「カレーの匂いで生徒の気が散ってしまう」と気を遣い、わざわざ鍋を風呂場に持っていくなど、苦労が絶えない。トイレも家に一つしかなく、生徒の使用を優先している。また、そろばん教室自体も、リビングに大勢の子供がひしめき、かなり窮屈。机と机の間が子供の体一つ分しかなく、そろばんをしている最中に、別の子供の体がぶつかってしまうので、計算したそろばんの玉が動いてしまわぬよう、教室内を移動するのも一苦労。狭さゆえに、子供達もお互いに気を遣い、そろばんに集中することができない…。
そんな難問山積みのO家。果たして匠はどのようにリフォームするのか。
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~リフォームの匠~
寺山実
寺山建築工房 / 一級建築士
「高断熱、高気密、計画換気」が理念。
安全で安心、快適、美しい、持続可能性は住宅の基本。
複雑でさまざまな住まいの諸要素を建築を通してまとめ、「豊かな暮らし」があり、「四季を通して快適」な住宅をシンプルに作りいつまでも心地よい住まいであることを考える。新しい考え方、新しい技術へも目を向け、建築に転換させていく。
小川共立建設(株)
千葉県我孫子市