今回の依頼は東京都世田谷区のS家。四方を隣家に囲まれ、入り口から長い通路がある袋小路の土地。いわゆる旗竿地に建つ築66年の古い家だ。ここは元々今回の依頼者の実家。高齢の母の介護をするため、十年前に二人の娘も一緒に戻ってきた。地方に単身赴任している夫も月に一、二度は帰り、家族四人で食卓を囲む。そんなS家には、解決すべき問題が山積み…。
四方を建物に囲まれているため、昼間でも光が入らず家の中は真っ暗。広さ一畳ほどの狭い脱衣所は、家族がくつろぐリビングに面しており、仕切っているのは透け透けの障子たった一枚。以前、風呂は外の土間から出入りしていたが、冬は寒く、脱衣所もなかったため、その入り口をふさぎ、室内から浴室に行けるようにと押入れを改装した。障子一枚でしか仕切られていないこの場所は、特に年頃の娘たちが嫌がっている。さらに困ることが二階にも…。
姉妹の寝室は二階にあり、妹の部屋は、階段を上がってすぐの場所。そして、姉も同じ部屋に入るのかと思いきや、くるりときびすを返すと、そこには扉が。よく見ると階段の上に一枚の薄い板が渡されている。その幅わずか30センチ。一歩でも踏み外せば、下まで転げ落ちそうな狭くて頼りない板で、以前遊びにきた友人が落ちてしまったことも…。そんな危険な橋を渡った先にある扉の向こうは、部屋ではなく、なんと外。その隣にも扉があり、ようやく寝室にたどり着く。何とも複雑なこの作りにはS家独自の理由があった。
実は、元々S家の住居は一階のみ。二階はアパートとして貸していた。その後、二階の四室あったワンルームのうち二部屋を住居にしたが、外階段しかなかったため、十分な長さをとることができないにも関わらず、内階段を無理矢理新設。結局踊り場を作る余裕がなく、仕方なく階段の上に板を渡すことにした。しかもその板は乗せてあるだけ。無茶な増改築のゆがみは二階だけでなく、一階にも。母は家の中の段差につまずいて転倒し、腰を骨折して車いすが必要になった。以来、介護施設で、リハビリに励みながら、我が家に帰る日をずっと待ち望んでいる。
家族の思いを受け、果たして匠はどのようにリフォームするのか?
と
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~リフォームの匠~
高木信行
トトモニ/一級建築士

早稲田大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアとして働いていたが、14年前、テレビで当番組を見て建築士に憧れ、まったく畑違いの工務店に転職。現場監督などをしながら、一級建築士の資格を取得したという、まさにビフォーアフターの申し子とも言える匠。
株式会社 トトモニ
東京都世田谷区

